秋に抜け毛が増えるのはなぜ?季節性の抜け毛の原因と対策

酷暑が過ぎ去り、朝夕に涼しい風が吹き始めると、街中には金木犀の甘く切ない香りが漂い始めます。本来であれば、味覚の秋、読書の秋、行楽の秋と、心躍る季節のはずです。しかし、薄毛や髪のボリュームに悩む人々にとって、秋の訪れは同時に「恐怖の季節」の幕開けでもあります。

ある日、何気なくシャンプーをしていて、指に絡みつく髪の量がいつもより多いことに気づく。泡を流した後、排水溝に溜まった黒い塊を見て背筋が凍る。ドライヤーで髪を乾かし終え、洗面台の白い床に散らばる無数の髪の毛を見て、絶望的な気分になる…。あなたにも、そんな経験はないでしょうか?

「このまま抜け続けたら、冬になる頃には地肌が透けてしまうのではないか」「夏の間に使っていたシャンプーが合わなかったのだろうか」「もしかして、深刻な病気の前兆ではないか」。鏡の前で前髪をかき上げるたびに、ため息と共にネガティブな思考が頭を駆け巡ります。

私自身、今でこそ毛髪の専門家として活動していますが、かつては知識がないあまり、秋になるたびに枕元の抜け毛を一本一本数えては落ち込み、効果の根拠も曖昧な高価な育毛剤をパニック買いしてしまった苦い過去があります。

しかし、ここで専門家として明確にお伝えしておきたい真実があります。秋の抜け毛増加は、ある種の人体の「生理現象」であり、生物としての正常な反応なのです。決してあなただけの異常事態ではありません。犬や猫などの動物が冬毛に生え変わるように、人間にも季節のリズムが存在するからです。

ただし、そこには現代人特有の「夏のダメージの蓄積」や「生活習慣の乱れ」という要因も複雑に絡み合っており、放置すれば一過性の抜け毛では済まされず、将来の慢性的な薄毛リスクに繋がってしまうこともまた事実です。

目次

  1. 秋の抜け毛増加が起こるメカニズムとヘアサイクル
  2. 夏の紫外線やダメージが秋に抜け毛を引き起こす
  3. 季節の変わり目に増える抜け毛の予防策
  4. 抜け毛の時期に積極的に摂りたい栄養素
  5. 季節性の抜け毛とAGAによる抜け毛の見分け方
  6. 抜け毛の時期の正しいシャンプーと頭皮ケア
  7. 季節の変わり目のストレスと抜け毛の関係
  8. 抜け毛の不安を軽減するための心のケア
  9. 抜け毛が多い時期の頭皮マッサージの注意点
  10. 抜け毛を減らすための季節に合わせた対策

1. 秋の抜け毛増加が起こるメカニズムとヘアサイクル

日本では古くから「抜け毛の秋」という言葉が存在するほど、この現象は多くの人を悩ませてきました。実際、クリニックの臨床データや育毛サロンの相談件数を見ても、10月から11月にかけては他の月の1.5倍〜2倍近くに跳ね上がります。

通常、人間の髪は1日に50本〜100本程度抜けるのが正常範囲とされていますが、秋には一時的に200本〜300本近くに急増することも珍しくありません。

まずは、なぜこの時期に髪が抜けるのか、その根本的なメカニズムを「生物学的な背景」と「ヘアサイクルの同期」という観点から、ミクロな視点で紐解いていきましょう。

【動物的な「換毛期」の名残説:DNAに刻まれた記憶】

私たち人間も、分類上は哺乳類という動物の一種です。犬や猫を飼っている方なら、春と秋に掃除機が追いつかないほど毛が抜ける「換毛期」をご存知でしょう。動物にとって毛は、体温調節を行い生命を維持するための重要な器官です。

特に秋は、これから訪れる冬の氷点下の寒さに耐えるために、通気性の良い夏用の涼しい毛(夏毛)を脱ぎ捨て、保温性が高く密度の濃い冬毛へと生え変わるための、命に関わる重要な準備期間なのです。

人間は進化の過程で体毛の多くを失い、衣服や住居で体温調節を行うようになりました。現代では空調の効いた快適な環境で生活しており、体毛による体温調節の必要性は薄れています。

しかし、数百万年という進化の歴史の中で培われた「季節に合わせて体を調整する」というDNAレベルの記憶やホルモン変動のリズムは、完全には消えていないと考えられています。

秋になり日照時間が短くなると、松果体からのメラトニン分泌量が変化し、体は「冬支度」を始めます。その一環として、ホルモンバランスが微妙に変化し、古い髪をリセットして新しい髪を生やす準備を始めるのです。つまり、秋の抜け毛は病気ではなく、体が正常に季節を感じ取っている証拠であり、「髪の衣替え」のような生理現象と言えます。

【ヘアサイクルの「休止期」への一斉移行】

髪の毛は、一度生えたら永遠に伸び続けるわけではありません。一本一本が独立したタイミングで、以下の3つのサイクルを繰り返しています。

  • 成長期(3年〜6年):毛母細胞が活発に分裂し、髪が太く長く伸びる時期。
  • 退行期(2週間〜3週間):毛根が縮小し、毛乳頭からの栄養供給が止まる時期。
  • 休止期(3ヶ月〜4ヶ月):髪の成長が完全に止まり、毛穴に留まっているだけの状態。

興味深いことに、夏場は気温が高く、全身の代謝が活発になるため、髪の成長速度が速まる傾向があります。夏の強い日差しから頭部を守るために、体は髪を増やそうとします。しかし、秋に向かって気温が下がり始めると、体はエネルギー消費を抑えて温存しようとするため、基礎代謝が落ちます。これに伴い、夏場に活発だった髪の多くが、役割を終えたかのように一斉に成長を止めて「退行期」から「休止期」へと移行しやすくなるのです。

ヘアサイクルの段階 通常時の割合と特徴 秋に特有の動向
成長期
(Anagen)
全体の約85〜90%。
毛母細胞がフル稼働している状態。健康な頭皮なら数年間続く。
夏の終わりと共に、一部の髪が成長のピークを終え、次の段階への準備に入ります。成長期の割合が一時的に減少します。
退行期
(Catagen)
全体の約1%。
毛球部が急速に萎縮し、毛乳頭から離れる。アポトーシス(細胞死)が起こる。
秋口には、この退行期へ移行する髪の数が通常よりも増える傾向にあります。これが数週間後の抜け毛予備軍となります。
休止期
(Telogen)
全体の約10〜15%。
髪は完全に成長を止め、毛穴の浅い位置に留まる。ブラッシングや洗髪の物理的刺激で容易に脱落する。
秋の抜け毛の正体はこれです。
休止期に入った髪が、下から生えてくる新しい髪(新生毛)に押し出されたり、洗髪の刺激で一斉に脱落したりします。

このように、秋の抜け毛は生理的なリズムの一環であることが多いため、基本的には季節が過ぎて冬になれば自然と落ち着き、抜け毛の数は元に戻ります。しかし、次章で解説する「夏のダメージ」が過剰に加わることで、ヘアサイクルが乱れ、本来抜ける予定ではなかった髪まで抜けてしまったり、次の髪が生えてこなかったりするトラブルが発生するのです。

参考文献 :更年期の抜け毛は治る?栄養不足や運動不足に気をつけて!

2. 夏の紫外線やダメージが秋に抜け毛を引き起こす

「秋に抜ける髪は、夏に虐められた髪である」。これは私がカウンセリングの際によく口にする言葉ですが、決して比喩や大袈裟な表現ではありません。7月、8月の猛暑という過酷な環境下で頭皮が受けたダメージは、すぐには表面化せず、ヘアサイクルのタイムラグ(約2〜3ヶ月)を経て、秋に「抜け毛」という形で請求書が回ってくるのです。

いわば、夏のツケを払わされている状態です。

頭皮を襲う「夏の3大ダメージ」の正体

具体的に、夏の間、私たちの頭皮で何が起きていたのかを振り返ってみましょう。これらを理解することで、なぜ秋に対策が必要なのか、そして来年の夏の予防策も見えてきます。

ダメージ要因 頭皮への具体的影響とメカニズム 秋への後遺症(タイムラグ)
強烈な紫外線
(UV-A, UV-B)
頭皮は体の中で最も太陽に近く、顔の3倍以上の紫外線を浴びています。紫外線UV-Aは真皮層まで到達し、毛母細胞のDNAを損傷させます(光老化)。また、コラーゲンを破壊し、頭皮の弾力を奪います。 DNAレベルでダメージを受けた毛根は、修復が間に合わず、寿命を早めて抜け落ちます。頭皮が硬化し、血行不良の原因にもなります。
エアコンによる
乾燥と冷え
冷房の効いた室内は湿度が極端に低く、頭皮の水分を奪います。また、冷気は頭皮の毛細血管を収縮させ、栄養の運搬ルートを遮断します。汗をかいた後の急激な冷却も大敵です。 血行不良により、秋に生えてくるはずの新しい髪の成長が阻害され、抜け毛後の回復が遅れます。インナードライ状態が続くと、乾燥性の細かいフケの原因にもなります。
皮脂の酸化と
雑菌繁殖
高温多湿な環境で汗と皮脂が混ざり合い、紫外線によって酸化して「過酸化脂質」という頑固な汚れとなります。これが毛穴を塞ぎ、マラセチア菌などの常在菌が異常繁殖して炎症を引き起こします。 慢性的な微弱炎症が毛根を弱らせ、秋口に一気に抜け毛として現れます。放置すると脂漏性脱毛症のリスクも高まります。

さらに、「夏バテ」による食欲不振で、そうめんや冷たい麺類、アイスクリームばかり食べていた場合、髪の材料となるタンパク質や、代謝に必要なミネラル・ビタミンが慢性的に不足しています。体は生命維持に関わる臓器へ優先的に栄養を送るため、末端組織である髪への栄養供給は真っ先にカットされます。

その栄養不足の影響も、時間差で秋に直撃します。つまり、秋の抜け毛対策とは、実は「夏の終わりのダメージケア」と「秋の栄養補給」のセットで考える必要があるのです。

3. 季節の変わり目に増える抜け毛の予防策

すでに秋を迎えてしまった場合、今現在ハラハラと抜けている髪を止めるのは難しいかもしれません。なぜなら、それらはすでに「休止期」に入ってしまい、毛根が縮小して抜けることが確定している髪だからです。しかし、「これ以上の悪化を防ぐ(ダメージの連鎖を断ち切る)」ことと、「来年の春に生えてくる髪を太く健やかにする」ことは、今からのケアで十分に可能です。

【日常生活でできる即効性のある予防と対策】

  • 帽子の着用を10月まで継続する:
    「夏が終わったからもう大丈夫」と油断してはいけません。秋晴れの日の日差しは意外と強く、真夏の8割程度の紫外線量が降り注いでいます。特に夏のダメージを受けてバリア機能が弱っている頭皮にとって、秋の紫外線は決定的な追い打ちとなります。太陽の位置が低くなり、斜めからの日差しが入りやすくなる10月頃までは、外出時に帽子や日傘を使用し、物理的に頭皮を守りましょう。
  • 頭皮の保湿ケアを導入する(スカルプローション):
    秋になると空気が乾燥し、湿度が下がり始めます。夏の紫外線で角質層が乱れ、バリア機能が低下した頭皮は、非常に乾燥しやすい状態です。顔に化粧水を塗るのと同じように、洗髪後、タオルドライした頭皮に専用の保湿ローションを塗布して水分補給を行いましょう。乾燥によるフケや痒みを防ぐことが、抜け毛予防に直結します。
  • 「温活」で血流を取り戻す:
    夏の間、暑いからといってシャワーだけで済ませていませんでしたか? シャワーだけでは体の芯まで温まらず、頭皮の血流も滞ったままです。秋になったら湯船に浸かる習慣を復活させましょう。38〜40度のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、副交感神経が優位になり、全身の血管が拡張します。これにより、収縮していた頭皮の毛細血管にも血液が巡り、栄養が届くようになります。
  • 睡眠リズムを整える(成長ホルモンの確保):
    「秋の夜長」と言いますが、夜更かしは髪にとって禁物です。髪のダメージを修復し、成長を促す「成長ホルモン」は、入眠後の深い睡眠(ノンレム睡眠)中に集中的に分泌されます。特に季節の変わり目は自律神経が乱れやすいため、できるだけ決まった時間に寝起きすることで体内時計を整え、質の高い睡眠を確保しましょう。

4. 抜け毛の時期に積極的に摂りたい栄養素

東洋医学には「髪は血余(けつよ)」という言葉があります。髪は血液の余り、つまり栄養が十分に満ち足りて初めて作られるという意味です。現代栄養学においてもこれは真実です。秋は「実りの秋」と言われるように、旬の食材には夏の疲れを癒やし、冬に向けて体を整えるための栄養素がたっぷりと詰まっています。

サプリメントに頼る前に、まずはスーパーで手に入る旬の食材を活用し、内側から育毛ケアを行いましょう。

秋の味覚と育毛のマリアージュ:最強の食材リスト

栄養素 髪への効果とメカニズム おすすめの秋食材
良質なタンパク質
(ケラチン源)
髪の毛の90%以上は「ケラチン」というタンパク質で構成されています。これが不足すると髪が細くなり、抜けやすくなります。必須アミノ酸(メチオニンなど)をバランスよく摂ることが重要です。 サンマ、戻りガツオ、サバ
秋刀魚などの青魚は脂が乗っており、良質なタンパク質に加え、血流を改善し炎症を抑えるオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)が豊富です。
ビタミンB群
(特にB2, B6, ビオチン)
「代謝のビタミン」と呼ばれ、頭皮の新陳代謝(ターンオーバー)を正常化し、過剰な皮脂分泌をコントロールします。フケ予防にも効果的です。 キノコ類(マイタケ、シイタケ)、豚肉
キノコは低カロリーで食物繊維も豊富。腸内環境を整えることで、栄養の吸収率そのものを高めます。
抗酸化ビタミン
(ビタミンA・C・E)
夏の紫外線ダメージで頭皮に発生した活性酸素(サビ)を除去し、頭皮の老化(酸化)を食い止めます。ビタミンEは血行促進効果もあります。 カボチャ、サツマイモ、柿、ナッツ類
秋の根菜や果物には、夏のダメージを修復する強力な抗酸化物質がたっぷり含まれています。
亜鉛 摂取したタンパク質を髪に変える際に必須のミネラルであり、細胞分裂を助けます。現代人に最も不足しがちな栄養素です。 牡蠣(カキ)、松茸
これからの季節に美味しくなる牡蠣は「海のミルク」と呼ばれるほど亜鉛の宝庫です。レモン(ビタミンC)をかけて食べると吸収率がアップします。

特に意識していただきたいのは、「抗酸化」です。頭皮の酸化ストレスを取り除くことが、秋の抜け毛を早期に収束させ、毛母細胞を復活させる鍵となります。旬の食材をバランスよく食べることは、最高の高級育毛サプリメントを飲むことと同義なのです。

関連ニュース:抜け毛を防ぐ方法はあるの?今から出来る対策が知りたい!

5. 季節性の抜け毛とAGAによる抜け毛の見分け方

抜け毛が増えた時、最も不安になるのは「これがただの季節性のものなのか、それともAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)などの進行性の薄毛なのか」という点でしょう。この二つは、抜け毛の特徴や現れ方に明確な違いがあります。パニックにならず、冷静に観察することで、不要な不安を取り除き、適切な対処が可能になります。

  • 自己診断のための詳細チェックリスト

排水溝や枕元の抜け毛を数本手に取り、白い紙の上に置いて、明るい場所で虫眼鏡やスマホのズーム機能を使って以下のポイントを確認してください。

チェック項目 季節性の抜け毛(一時的・正常) AGA・病的脱毛(要注意・異常)
毛の太さと長さ 太く、長く成長したしっかりした髪が抜ける。
(寿命を全うした髪=棍毛)
細く、短い髪(産毛のような毛)が多く混じっている。
(成長途中で強制的に抜けてしまった髪=軟毛化)
毛根の状態 マッチ棒のように丸く膨らんでいる。
色は白っぽく半透明。
毛根の先にしっぽのようなものがない。
膨らみがなく、細く尖っている、またはギザギザしている。
色が黒い、または白くベタついた脂汚れが付着している。
抜ける部位 頭全体からまんべんなく抜ける。
特定の場所だけ薄くなることはない。
生え際(M字)や頭頂部(O字)、分け目など、特定の部位から集中して抜ける。
地肌が透けて見える範囲が広がる。
期間 1ヶ月〜2ヶ月程度で自然に収まる。
冬になる頃には抜け毛の量が戻る。
季節に関係なく、3ヶ月以上抜け毛の増加が続き、止まる気配がない。
徐々に全体のボリュームが減っていく。

もし、抜け毛の中に「細くて短い毛」が全体の2割以上混じっている場合や、生え際など特定の部位が明らかに薄くなってきたと感じる場合は、季節性のものではなくAGAの可能性が強く疑われます。その場合は、季節のせいにせず、早めに専門クリニックでマイクロスコープ診断を受けることを強くお勧めします。

早期発見であれば、薬による治療で劇的に改善する可能性が高いからです。

6. 抜け毛の時期の正しいシャンプーと頭皮ケア

抜け毛が増えると、「シャンプーをしたらもっと抜けるのではないか」と怖くなり、洗髪の回数を減らしたり、指先だけで恐る恐る洗ったりする方がいます。しかし、これは大きな間違いです。抜け毛の時期こそ、頭皮環境を清潔に保ち、新しい髪が生えやすい土壌を作ることが最優先です。ただし、洗い方には「コツ」があります。

秋のシャンプー・見直しの3ステップ

  1. 洗浄力の見直し(脱・高級アルコール系):
    夏に使っていた爽快感のある「クール系」や、洗浄力の強い「ラウレス硫酸ナトリウム」などが主成分のシャンプーは、秋の乾燥した頭皮には刺激が強すぎることがあります。必要な皮脂まで奪い取り、乾燥性のフケや痒みを引き起こす原因になります。秋になったら、洗浄力がマイルドで保湿効果のある「アミノ酸系シャンプー」「ベタイン系シャンプー」に切り替えましょう。
  2. 予洗いの徹底(摩擦レス):
    シャンプー剤をつける前に、38度前後のぬるま湯で2分間、しっかりと頭皮と髪をすすぎます。これを「予洗い」と言います。実は、これだけでホコリや皮脂汚れの8割は落ちます。予洗いをしっかりすることでシャンプーの泡立ちが良くなり、髪同士の摩擦による物理的な抜け毛(切れ毛)を防ぐことができます。
  3. 「こする」のではなく「揉む」:
    爪を立てたり、ゴシゴシと激しくこすったりするのは厳禁です。弱っている新生毛まで抜けてしまいます。指の腹を頭皮に密着させ、頭皮そのものを動かすように優しく「揉み洗い」をします。これにより、毛穴の奥の汚れを押し出しつつ、マッサージによる血行促進効果も得られます。

また、トリートメントは髪の毛先だけにつけ、頭皮にはつかないように注意しましょう。シリコンなどの成分が毛穴に残ると炎症の元凶となります。洗う時間の倍の時間をかけて、ヌルつきがなくなるまで徹底的にすすぐことが鉄則です。最後に、ドライヤーの仕上げに「冷風」を当てることで、キューティクルを引き締め、頭皮の蒸れを防ぎ、雑菌の繁殖を抑えることができます。

関連資料:毛根の状態で薄毛の状態が分かる!抜け毛が気になったら抜けた髪の毛をチェックしよう

7. 季節の変わり目のストレスと抜け毛の関係

「季節の変わり目は体調を崩しやすい」とよく言われますが、これは自律神経の乱れが原因です。そして、自律神経の乱れは、抜け毛の大きな要因となります。髪と心は繋がっているのです。

「寒暖差疲労」と「セロトニン不足」のダブルパンチ

秋は朝晩と日中の気温差が激しく、体温調節のために自律神経が過剰に働きます。これが「寒暖差疲労」となり、エネルギーを消耗させます。また、寒さへのストレスから、交感神経が優位な状態(緊張状態)が続きやすくなります。交感神経が優位になると血管が収縮し、末梢である頭皮への血流が悪化します。栄養が届かなくなった髪は弱り、抜けやすくなります。

さらに、秋になって日照時間が短くなると、脳内で幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が減少します。セロトニン不足は気分の落ち込み(秋季うつ)を招きやすく、ストレス耐性を低下させます。ストレスはホルモンバランスを乱し、直接的な脱毛因子となることもあります。

【今日からできる自律神経ケア】

  • 朝日を浴びる: 起床後にカーテンを開け、15分ほど日光を浴びることでセロトニンの分泌を促し、体内時計をリセットします。
  • リズム運動: 散歩やジョギング、ガムを噛むなどの一定のリズムを刻む運動は、セロトニンの活性化に効果的です。通勤時に少し早歩きをするだけでもOKです。
  • 深呼吸: 意識的に深く息を吐く(4秒吸って8秒吐く)ことで、副交感神経(リラックス)を強制的に優位にします。仕事の合間に行いましょう。

こちらも読まれています:ストレスによる抜け毛に悩む女性が急増中?対策はある?

8. 抜け毛の不安を軽減するための心のケア

抜け毛対策において、意外と見落とされがちなのが「メンタルケア」です。「今日もまた抜けた…」「ハゲたらどうしよう」と悩み続けること自体が強力なストレスとなり、さらに血管を収縮させて抜け毛を加速させるという悪循環(ノシーボ効果)に陥ることがあります。

「気にしすぎない」ためのマインドセット

  • 「生え変わり」だと捉え直す(リフレーミング):
    抜けた髪を見て「失った」と嘆くのではなく、「古い髪が役目を終えて、新しい髪に席を譲ったのだ」と考えましょう。抜けた数だけ、下では新しい命が芽吹いています。代謝が良い証拠だとポジティブに変換してください。
  • 数値で把握して安心する:
    人間の髪は約10万本あり、そのうちの100本が抜けても全体の0.1%に過ぎません。見た目のボリュームが急激に変わらない限り、日々の本数の増減は誤差の範囲です。あまり神経質に数えるのをやめ、「今日は大掃除の日だったんだな」くらいに軽く受け流しましょう。
  • 期間限定だと割り切る:
    「これは秋の風物詩だ」「11月には終わるイベントだ」と割り切りましょう。終わりがあると思えば、不安は軽減されます。

9. 抜け毛が多い時期の頭皮マッサージの注意点

血行促進のために頭皮マッサージは有効ですが、抜け毛が多い時期には注意が必要です。やり方を間違えると、本来抜ける予定ではなかった髪(成長期の髪)まで物理的な力で引き抜いてしまい、抜け毛を助長させてしまう恐れがあります。

◆やってはいけないNGマッサージ

  • 髪をこする・引っ張る: 指を滑らせて髪を摩擦したり、根元から強く引っ張ったりする行為は厳禁です。新生毛は根元が浅く、簡単に抜けてしまいます。
  • 爪を立てる: 頭皮を傷つけ、炎症を招きます。そこから雑菌が入り、化膿することもあります。
  • 長時間やりすぎる: 必要以上の刺激は、弱っている毛根にとって負担になります。「痛気持ちいい」を超えて「痛い」と感じるのはやりすぎです。

◇正しい「秋のマッサージ」の手順

この時期のマッサージは、「血流改善」よりも「リラックスと頭皮の柔軟化」を目的に、優しく行います。

  1. タイミング: 入浴中、体が温まって血行が良くなっている時、または頭皮用ローションを塗布した直後がベストです。
  2. 圧のかけ方: 両手の指の腹(指紋の部分)を頭皮に当て、決して指を滑らせず、頭皮を頭蓋骨から引き剥がすようなイメージで「じっくりと垂直に圧をかけ、ゆっくり回す」ようにします。1箇所につき3回回したら、指を離して場所を移動します。
  3. 場所: 耳の上(側頭部)から始め、徐々に頭頂部へと向かいます。最後に首の後ろ(風池などのツボ)を押して、リンパの流れを良くします。
  4. 時間: 1日3分程度で十分です。リラックスしながら行いましょう。

※頭皮に赤みや痒み、痛み(炎症)がある場合は、マッサージは控えて安静にし、皮膚科を受診してください。

10. 抜け毛を減らすための季節に合わせた対策

最後に、秋だけでなく年間を通した視点で、抜け毛をコントロールするための対策をまとめます。日本の四季に合わせたケアを行うことが、長期的な髪の健康を守る秘訣です。

年間ヘアケアカレンダー:先回りケアで髪を守る

季節 頭皮の状態とリスク 重点対策アクション
春(3-5月) 花粉やほこりの付着、新生活のストレスでゆらぎやすい。気温上昇に伴い皮脂分泌が増え始める。 洗浄力の優しいシャンプーで清潔を保つ。自律神経を整える生活を心がける。春の紫外線対策を開始する。
夏(6-8月) 紫外線、汗、皮脂によるダメージが最大化。蒸れによる雑菌繁殖。冷房によるインナードライ。 紫外線対策(帽子・日傘)の徹底。頭皮の蒸れを防ぎ、酸化皮脂を溜めない週1回のクレンジングケア。タンパク質不足にならない食事。
秋(9-11月) 夏のダメージが表面化し、抜け毛が増加。乾燥が始まり、バリア機能が低下。 徹底的な保湿ケアと抗酸化食品の摂取。育毛剤で栄養補給を行い、冬に備えるリカバリー期間。睡眠を重視する。
冬(12-2月) 寒さと乾燥で血流が悪化。バリア機能が低下し、乾燥性のフケが出やすい。 保湿と「温活」。入浴やマッサージで血流を確保し、乾燥から守る。加湿器の活用。

 

  • 秋の抜け毛は生理現象: 換毛期と夏のダメージ蓄積が原因であり、過度な心配は不要です。焦らず騒がず、ケアを徹底しましょう。
  • ケアの基本は「保湿」と「抗酸化」: 乾燥対策と、旬の食材による内側からのケアが回復を早めます。
  • AGAとの見極めが重要: 細く短い抜け毛が増えたり、局所的に薄くなったりしたら、季節のせいにせず専門家へ相談を。

読者が明日から取るべき具体的なアクション

  1. 今夜の入浴は必ず湯船に浸かり、お風呂上がりに頭皮用ローション(なければ顔用の刺激の少ない化粧水)で頭皮を保湿してください。 乾燥して疲れ切った土壌に水を与えることが、回復への確実な第一歩です。これだけでフケやかゆみが治まることも多いです。
  2. 明日の夕食に「サンマ」か「キノコ料理」を一品加えてください。 美味しく食べて、体の内側から髪の材料を届けましょう。旬のものを食べることは、体調を整える一番の近道です。

秋の抜け毛は、体が季節に合わせて変化している証拠であり、生きていれば当たり前のことです。正しい知識を持って冷静に対処すれば、必ず嵐は過ぎ去り、春には新しい芽が出ます。不安な気持ちを丁寧なケアに変えて、実りの秋を健やかな髪と共に楽しみましょう。

付帯記事:不安を解消!正常な抜け毛と病的な抜け毛を見分ける方法

  • ご利用者様の喜びの声
  • ユーザー様の回復実績 効果には個人差があり、回復を保証するものではありません
  • ブログで分からなかったこともLINEで先生に相談できます。

    ※23歳以下の方は保護者の方からのお問い合わせをお願いいたします。

  • あなたに今一番お伝えしたいことはこちらに書かれています。

ブログを読んでいただきましたか?

ブログでは書けない私たちが伝えたいことが
たくさんこちらには詰まってます。

私たちについて

ぜひこちらをご覧いただいて、
私たちの思いを知ってください。