更年期の抜け毛は治る?栄養不足や運動不足に気をつけて!
更年期になると増えてくるのが、抜け毛の悩み。
「少し前までは全然気にならなかったのに、
どうしてこんなに抜け毛が多いの?」
と思われている方もいらっしゃるでしょう。
更年期になるとなぜ抜け毛が増えるのか、
更年期の抜け毛は治るのかも気になるところですよね。
そこで今回は、「更年期の抜け毛は治る?」という疑問に
お答えしながら、更年期の方におすすめの抜け毛対策を
ご紹介します。
更年期の抜け毛は治るもの?
結論から先にお伝えすると、更年期の抜け毛はきちんと対策を
講じれば治る・改善する可能性があります。
もちろん、抜け毛が始まってからの期間や症状、
その人の生活環境や体質などにも左右されるので、
治ると言い切ることはできません。
しかし、更年期の抜け毛の原因を知り、早い段階で適切な対策や
ケアを行うことで進行を抑えたり、改善したりすることは可能です。
それでは、更年期になると抜け毛が増えるのはなぜなのか、
その理由を解説しましょう。
更年期とは、閉経をはさんだ前後10年くらいの期間を言います。
この更年期に大きな影響を及ぼしているのが、女性ホルモンです。
女性ホルモンには「プロゲステロン」と「エストロゲン」の
2種類がありますが、
このうちエストロゲンは髪の毛と深く関わっています。
エストロゲンには、髪に艶やコシを与える、頭皮の柔軟性や
健康を保つ、ヘアサイクルの成長期を維持して髪の生育を
促進するといった重要な働きがあるのです。
ところが、女性ホルモンの分泌量は20代後半から30代前半を
ピークとし、その後少しずつ減少していき、
40代に入るあたりから激減します。
このような女性ホルモンの減少によりエストロゲンの恩恵が
受けにくくなると同時に、これまで受けた頭皮のダメージの蓄積や
加齢による新陳代謝の低下などが重なり、髪のトラブルにつながります。
ヘアサイクルの乱れから髪がやせ細り、
全体的なボリュームの低下や抜け毛の増加をまねくのです。
また、抜け毛にはストレスや生活習慣の乱れ、
ヘアケアなども関わっています。
更年期は女性にとって避けては通れないものですが、
抜け毛や薄毛に悩まされる人とそうでない人がいるのは、
これらの影響も大きいからです。
更年期の抜け毛を治す・改善するためにはどうすればいい?
更年期の抜け毛を治す・改善するためには、
抜け毛の原因を解消することが大切です。
その中でも、とくに重視したいのは「生活習慣の見直し」。
具体的に何を見直せばよいのか、
生活習慣の見直しのポイントをご紹介します。
1.食生活
栄養不足にならないように、バランスのとれた食事を心がける。
2.睡眠
頭皮の修復や髪の生育促進のために、成長ホルモンの分泌が
盛んな眠り始めから3時間は、ぐっすり続けて眠れるように工夫する。
3.運動
適度な運動で血行促進や、ストレス解消を図る。
4.喫煙
喫煙は血行不良や活性酸素による老化、栄養不足などを引き起こし、
髪の生育に悪影響を与えるので禁煙するのが一番。
5.飲酒
過度の飲酒をするとアルコールの分解に栄養が使われてしまい、
髪に必要な栄養が不足するので休肝日を設け、
適量を守って飲むようにする。
適度な運動はメンタル面の安定にも効果あり
薄毛対策に適度な運動をおすすめする理由は、2つあります。
1つ目は、運動による血行促進作用。
髪の毛は、毛母細胞が栄養と酸素を使い、
分裂と増殖を繰り返すことで作られます。
この栄養と酸素を毛根まで運んでいるのが血液です。
新たな髪を生み出したり、生えてきた髪を太く長く成長させたり
するためには、血液の循環をスムーズにしておく必要があります。
ところが、運動不足やストレスなどが原因で血行が悪くなると、
原料の供給が滞ってしまうため、髪の生育がうまくできず
抜け毛が増えてしまうのです。
全身の血行改善を図るのに最適なのが、
ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動。
外で運動するのが億劫な場合は、自宅でラジオ体操などをしてみては?
無理せずできる運動を選ぶことが、長続きするポイントです。
抜け毛対策に運動がおすすめの理由、
2つ目はストレス解消効果もあること。
更年期ともなると、自分の老後や親の介護などの問題が
現実味を帯びてくる時期。
さまざまな環境の変化や更年期による体調不良などが重なり、
知らず知らずのうちにストレスも溜まりがちです。
ストレスが溜まると、自律神経の乱れを引き起こし、
血行不良につながることをご存じでしょうか?
それを防ぐには、ストレスを感じたら上手に解消して
溜め込まないようすることが大切です。
運動にはストレスを解消して、
前向きな気持ちにしてくれる効果があります。
運動したときに分泌される「セロトニン」や「エンドルフィン」
というホルモンによって、リラックス効果や精神的な安定を
得られるのです。
運動によって血行促進とストレス解消のWの効果が得られるのですから、
ぜひ取り入れてみてくださいね。
イソフラボンなど女性ホルモンに似た栄養素を摂ろう
食生活の見直しの中で、
積極的に取り入れたいのが「イソフラボン」です。
イソフラボンとは大豆そのものや大豆製品に含まれている成分で、
エストロゲンと似た働きをすることがわかっています。
更年期で減少してしまったエストロゲンの代わりに、
イソフラボンによって少しでもサポートしたいものです。
イソフラボンは、蒸し大豆や納豆など大豆の原型に
近い食品ほど多く含まれています。
1つの食品だけで必要量を摂取するのは大変なので、
豆腐や豆乳、油揚げ、味噌などを組み合わせて摂るようにしましょう。
ミネラルやビタミンも積極的に摂りたい成分
更年期の抜け毛対策に必要不可欠なのが、ミネラルやビタミン。
まず、育毛に欠かせないミネラルには「鉄分」と「亜鉛」があります。
■鉄分
鉄分は血液中のヘモグロビンを作るために必要なミネラルで、
不足すると貧血や頭皮の酸欠をまねきます。
髪を作るためには酸素と栄養素が必要ですが、
酸素を運ぶヘモグロビンが不足するために頭皮が
酸欠状態になってしまうのです。
すると髪の生育が支障をきたし、抜け毛や薄毛につながります。
とくに女性は鉄分が不足しがちなので、
意識して摂取する必要があります。
鉄分はレバーや赤身の肉、カツオ・マグロなど
赤身の魚などに多く含まれています。
■亜鉛
髪の主成分「ケラチン」の合成に必要なミネラルが、
「亜鉛」です。
亜鉛が不足すると髪の生成に支障をきたすため、
抜け毛が増えてしまうのです。
健康な髪を作るためには、食事から亜鉛を摂取することが大切。
亜鉛を多く含む食品は、
牡蠣・タラバガニ・うなぎ・豚レバー・赤身の肉・
卵黄・アーモンドなど。
また、育毛にはビタミン類も重要な役割をはたしています。
■ビタミンA
健やかな頭皮を作るビタミンで、
不足すると頭皮環境の悪化をまねきます。
にんじん・ほうれん草・かぼちゃ・豚レバー・鶏レバー・うなぎ
■ビタミンB6
ケラチンを合成するときに亜鉛の働きをサポートしてくれる
ビタミンで、不足すると頭皮が肌荒れを起こしたり頭皮環境が
悪化したりします。
カツオ・マグロ・バナナ・鶏肉・レバー
■ビタミンC
コラーゲンの生成に欠かせないビタミンで、
頭皮や毛細血管の柔軟性を保ちます。
また、鉄分の吸収をサポートします。
赤ピーマン・ピーマン・芽キャベツ・パセリ・レモン・柿
■ビタミンE
抗酸化作用があり老化を防ぎ、血行を良くする働きがあります。
「若返りのビタミン」と呼ばれているので、
更年期の女性は積極的に摂るようにしましょう。
ごま・アーモンド・ヘーゼルナッツ・ひまわり油・
ほうれん草・ブロッコリー
日頃からバランスよく色々な食品を摂っていれば、
自然と栄養バランスも整ってきます。
しかし忙しくて料理をする暇がない、好き嫌いが多い、
1人暮らしでたくさん買っても食品を持て余してしまう
といった場合はサプリなどを利用してみるのもよいでしょう。
まとめ:更年期の抜け毛は治る?栄養不足や運動不足に気をつけて!
更年期の抜け毛は、早期に適切な対策を行えば治る・改善する
可能性があります。
抜け毛を改善するには、生活習慣の見直しが欠かせません。
その中でもとくに意識したいのが、
「栄養バランスのとれた食事」と「適度な運動」です。
女性ホルモンが激減する更年期は、エストロゲンと似た働きをする
「イソフラボン」や、髪の生育に必要不可欠なミネラル・ビタミン類を
積極的に摂りましょう。
また、運動は血行改善効果の他に、メンタル面を安定させ
ストレスを解消する働きもあるのでおすすめです。
更年期だから仕方ないなどと思わず、健やかな髪を
維持していくためにも根気強くケアしてあげてくださいね。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔