薄毛や白髪の対策に漢方が使われることもある?どのような漢方があるの?
「薄毛や白髪が気になるけど、育毛剤を使うのは気がすすまない」
「体調を整えることで、薄毛や白髪を改善し、
髪の毛の健康を取り戻したい」
こんな風に考えている女性には、薄毛・白髪改善のために
漢方を用いることがおすすめです。
漢方とは、鍼灸や食養生も含めた医学のこと。
体本来の持つ力を活かして、
薄毛や白髪などの気になる症状を改善し、
健康な髪の毛を取り戻すことをめざします。
漢方では薄毛や白髪をどうとらえているのか、
薄毛・白髪にはどのような漢方薬があっているのかなど、
髪の健康と漢方薬について詳しく解説いたします。
昔から薄毛対策に漢方が使われていた
漢方は、数千年の歴史があり、人間の体も自然の一部としてとらえ、
体全体のバランスを総合的にとらえ、整えていくことで症状を
改善していくという考え方です。
漢方の世界では、薄毛や抜け毛の原因は、
・血液の不足【血虚(けっきょ)】
・腎の低下【腎虚(じんきょ)】
・熱の過剰【湿熱(しつねつ)】
と、とらえており、それぞれの症状に合わせて、
鍼灸、食養生、漢方薬などを用い、改善しくことが大切です。
漢方では、髪は血の余りと考えられており、
薄毛や抜け毛の原因は、血液が不足している、
または血液が薄い状態ととらえます。
髪にコシがなくて、パサつく。
寒がりで、手足の冷えが気になる。
乾燥肌。
めまいや立ちくらみなどを起こしやすい。
不眠や不安症などの症状がある。
若白髪。
このような症状の人は、【血虚】タイプかもしれません。
また、髪は腎とも深い関係があると考えられています。
腎とは、内臓の腎のことではなく、成長や発育を担う役割のことで、
ホルモン代謝や生殖器、自律神経などにも関わっています。
「腎の華は髪にある」という言葉があるように、
腎精が充実していると髪の健康も保たれていますが、
腎精が不足すると【腎虚】という状態になります。
腎虚というのは、わかりやすく言うと老化のことで、
加齢による白髪や抜け毛、薄毛の症状がある人が
その例として挙げられます。
腎虚になると、ホルモンバランスが崩れて、
老化が進み、新陳代謝も悪くなります。
更年期の女性は、この症状にあてはまるかもしれません。
髪の悩みの中でもとくに白髪に悩んでいる方は、
腎虚タイプの可能性があります。
熱の過剰である【湿熱】タイプは、
体の中に熱や水分を余分にためている状態をさします。
滞った体の熱と、湿気が頭皮の状態に影響するため、
皮脂分泌も過剰になり、抜け毛を引き起こしやすくなります。
のぼせやすく、汗をかきやすい、化膿性のニキビができやすい人、
暑がりで、体力のある人などが湿熱タイプに当てはまります。
それぞれ足りてないものを補う、
または、過剰なものを取り除く働きのある漢方薬を用いることで、
薄毛や抜け毛、白髪の改善をめざすことができます。
漢方は個人の体質や症状に合わせてプロに選んでもらおう
漢方の考え方は、症状だけに焦点をあてるのではなく、
人それぞれの体質、生活習慣など、全体をみながら、
体本来の働きを高めることで、不調を改善していくというもの。
漢方とは、鍼灸や食養生などを含めた医学のことを指します。
この漢方医学に基づいて処方されるのが「漢方薬」です。
ですから、
「薄毛の場合はこの漢方薬」、
「白髪にはこちらの漢方薬」
というような単純なものではなく、
ひとりひとりの症状、体質、習慣などを全体的にみながら、
補完するもの、取り除く作用のあるものなどが処方されます。
そのため、漢方薬を用いる際は、自分で判断して選ぶのではなく、
専門家に相談することが大切です。
薄毛や白髪に効果が期待できる漢方にはどのようなものがある?
漢方では、薄毛や白髪の改善のためには、体質改善、生活習慣の改善を
進めることが大切と考えます。
その上で、足りていないものを補完する。
もしくは、過剰なものを取り除く働きのある「漢方薬」を用いることで、
体質改善をすすめていきましょう。
先に紹介した、薄毛の原因である
・血液の不足【血虚タイプ】
・腎の低下【腎虚タイプ】
・熱の過剰【湿熱タイプ】
それぞれに、おすすめの「漢方薬」があります。
【血虚タイプ】は、
血液を補う
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、
「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」。
虚弱体質の人におすすめの
「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、
「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」
などが挙げられます。
この中で、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)には、
補血や活血の働きがある「当帰(とうき)」が70%も入っており、
さらに白髪を改善してくれる「阿膠(あきょう)」も含まれています。
そのため婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)は、
血虚タイプで薄毛や抜け毛のほかに
加齢による白髪が気になる人や、若白髪にも有効です。
【腎虚タイプ】は、
全体的に腎が弱っているときは
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」。
体をあたためる陽が不足している場合は
「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などがおすすめ。
腎虚タイプで白髪の悩みがある場合は、
このタイプの漢方薬を取り入れてみるといいでしょう。
【湿熱タイプ】は、
体の熱を取り去るようにし、解毒作用のある
「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」、
「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」
などを用いましょう。
「漢方薬」は、即効性のあるものではありません。
一カ月以上かかると思って、生活習慣の改善とともに、
じっくり取り組むことが大切です。
また、素人判断で部分的に取り入れるのではなく、
専門家に相談することが肝要です。
薄毛や白髪の改善に副作用が心配で漢方や体質を変えるといった方法を選択する方も
「薄毛・白髪の悩み」は見た目に影響するので、意外に深刻ですね。
でも、「薄毛」や「白髪」だけに注目するのではなく、
薄毛や白髪を引き起こしている「体」そのものを
整えていくことで、髪の毛の悩みも解消していく。
こういった東洋医学の考え方が、今、あらためて注目されています。
体の一部だけをとらえて、そこだけを改善するのではなく、
体のバランス、生活習慣までトータルに整えていくことで、
不調が取り除かれ、体本来の力を取り戻すことができるのです。
薄毛や白髪の悩みも同じこと。
漢方薬や鍼灸、整体などによって体全体を整えることで、
薄毛や白髪を改善し、本来の健康的な髪の毛を取り戻しましょう。
まとめ:薄毛や白髪の対策に漢方が使われることもある?どのような漢方があるの?
漢方の世界では、薄毛の原因は、「血液の不足【血虚】」、
「腎の低下【腎虚】」、「熱の過剰【湿熱】」にあると
言われています。
それぞれのタイプに合う漢方薬があり、【血虚タイプ】は、
血液を補う「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、
「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」など、
このうち婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)は
白髪の悩みにも有効です。
【腎虚タイプ】は、全体的に腎が弱っているときは
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、
体をあたためる陽が不足している場合は
「八味地黄丸(はちみじおうがん)」。
【湿熱タイプ】は、体の熱を取り去って、
解毒作用のある「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」、
「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などが挙げられます。
ただし、漢方薬は、症状だけで処方されるものではなく、
その人の体質、生活習慣などを含めて、
足りていないものを補完する作用のあるものや、
過剰なものを取り去る作用のあるものなどが処方されるので、
専門家に相談することが大切です。
さらに、体を整える鍼灸や整体を取り入れ、
食生活などの生活習慣を見直すことで体質改善を行い、
薄毛・白髪を改善していきましょう。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔