ミノキシジルを飲み続けると耐性ができる!?長い目で見た薄毛対策とは?
もっとも広く知られている薄毛のお薬と言えば、ミノキシジル。
すでに使っているという方、これから使うかどうか検討中という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このミノキシジルですが、「使い続けていると耐性ができて効果がなくなる」という話をお聞きになったことはありませんか?
この真偽については、薬を使用する前にぜひ知っておきたいですよね。
そこで今回は、ミノキシジルについてお話ししたいと思います。
基礎知識から、意外と知らないミノキシジルの盲点について、
そしてタイトルの「使い続けると耐性ができるのか」まで、
薄毛のプロがくわしく解説します!
薄毛対策選びで迷っている方は、ぜひご一読くださいね。
これで完璧!ミノキシジルの基礎知識
ミノキシジルは、1960年代にアメリカで血管拡張剤として開発された成分です。
もともとは、高血圧の薬として使用されていました。
のちに、その副作用として体毛が濃くなることがわかり、薄毛の薬に転用されるようになったのです。
ミノキシジルを使用すると、血管拡張作用が働いて全身の血行を促進します。
同時に頭皮の血行も改善されるため、髪の毛を作りだす細胞まで必要な栄養素や酸素が行きわたらせることができるようになります。
これにより、髪の毛を生み出す毛乳頭細胞が活性化し、発毛や髪の毛の成長が促進されるという仕組みです。
ミノキシジルには内服薬と外用薬があります。
しかし、日本でAGAの薬として認可されているのは外用薬のみで、内服薬は認可されていません。
そのため、ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット)を使用するためには、クリニックなどで医師から処方してもらう必要があります。
ミノキシジルには、さまざまな副作用のリスクがあります。
・動悸
・めまい
・頭痛
・血圧の低下
・手足のむくみ
・胸の痛み
・頭皮のかゆみ
・頭皮が赤くなる、湿疹
・体毛の増加
・肝機能の低下
ミノキシジルの副作用は必ず起こるわけではありません。
薬が合う、合わないもありますし、その人の体質や体の状態によっても違ってきます。
初めは何ともなかった人でも、継続使用しているうちにある日突然副作用が出ることもあるので注意が必要です。
もし万が一、副作用が出てしまった場合は、早めに担当医に相談しましょう。
意外と知られていない「ミノキシジル」の盲点とは?
高い発毛効果があるとされているミノキシジルですが、デメリットもあります。
1つ目は、先ほどご紹介した副作用のリスク。
副作用についてはある程度は知っている方も多いのですが、次のデメリットについては意外と知られていないかもしれません。
そのデメリットとは、「ミノキシジルは継続して使用する必要があり、使用をやめると効果が消失してしまう」ということです。
ミノキシジルは1日1回か2回、毎日服用します。
効果が実感できるようになるまで、最低でも4~6ヶ月くらいはかかると言われています。
気をつけなければいけないのが、服用期間。
ミノキシジルの効果があらわれているのは、服用している間のみ。
服用をやめるとその効果は消失し、脱毛が始まります。
つまり、薄毛改善効果を得るためには、継続して服用しなければならないのです。
「髪の毛も生えてきたことだし、そろそろ薬をやめようかな」というわけにはいきません。
薬の服用をやめると、髪の毛が抜け初め、やがてはもとの薄毛に戻ってしまう可能性があるからです。
たとえば30代に入ったばかりの男性が、ミノキシジルの服用を始めたとしましょう。
この男性が60代に入るまでは薄毛で悩みたくないと思っているとしたら、およそ30年近くも服用を続けることになります。
気が遠くなるような長い年月ですよね。
それだけ長期間服用を続ければ、当然体にもかなりの負担がかかります。
何年も経ってから、突然副作用に悩まされることもあるかもしれません。
もし副作用が重いものであれば、せっかく長年続けてきた薬をやめなければならいこともあり得るのです。
ですから、「クリニックですすめられたから」「口コミがよかったから」などの理由で、安易に薄毛の薬に手を出すのは危険です。
「自分はこの薬を何年も使い続けることができるのか?」ということを、一度じっくり考えてみましょう。
そして、3つ目のデメリットはコストの問題です。
ミノキシジルは継続して使用しなければならないので、薬を使っている間ずっと費用がかかります。
AGA専門のクリニックでミノキシジルを処方してもらう場合、たいていはプロペシア(フィナステリド)や外用薬など、他の薬と組み合わせて処方するケースが多いのです。
さらに風邪薬などのように一時的なものではなく、長期的にコストがかかることも覚えておきましょう。
ミノキシジルを飲み続けると耐性ができるって本当?
結論を先に言うと、「ミノキシジルを飲み続けると耐性ができる」というのは、あると思ってもらってよいでしょう。
「耐性」というのは、「連続した投与によって体が薬剤に対する抵抗性を持ち、薬が効かない、もしくは効きにくくなること」。
ミノキシジルは何年も長期間にわたって服用を続けるものなので、体が薬に慣れてしまい、少しずつ効果を感じづらくなることがあります。
たしかに、ミノキシジルを飲み始めて最初のうちは、産毛が生えてきたり体毛が濃くなるなど、薬の効き目を実感しやすいのです。
しかし、数ヶ月もすると、次第にめぼしい変化が感じられなくなり、逆に抜け毛が再び増えてきたりもします。
そしてさらに、腕や背中、すねなどの体毛ばかりどんどん濃くなるため、「え?これどういうこと?」と不安になってしまう方も多いのです。
また、ミノキシジルを使用すると「初期脱毛」と呼ばれる現象があります。
これは、使い始めの頃に、新しい髪の毛によって古い髪の毛が押し出されることによって起こる脱毛です。
けっこう大量に抜けるので、驚かれる方も多いのです。
たとえばミノキシジルを使い始めた時点で、100本の髪の毛が生えていたとします。
それが初期脱毛によって、70~80本に減ってしまいました。
その後、ミノキシジルが効いてくれれば、105本や110本まで回復するでしょう。
しかし、中にはミノキシジルが効かずに、減ってしまった70~80本のままほとんど増えない人もいるのです。
これではいったい何のためにミノキシジルを服用したのか、わかりませんよね。
また、回復して110本になったあと、それ以上増えない横ばい状態が続くこともあります。
それが数年続いた後、徐々に髪の毛が減っていき、最終的には80~90本まで戻ってしまう場合もあるのです。
これが「薬に対する耐性ができてしまい、効果が出なくなってきているサイン」なのです。
ミノキシジルの効果を維持するためには5年・10年・15年と自分が納得できるまで飲み続けなければいけません。
しかしその反面、使い続けることで耐性ができて効果が出なくなってしまう…。
そうなると、結局は最初の「薄毛をどうしたらいいのだろう?」という悩みにまた戻ってしまうんですよね。
せっかく頑張って10年も服用してきたのに、その結果が元に戻っただけでは、「この10年は何だったんだ…」と思ってしまっても無理はありません。
実際、その時点ではじめて「いいねヘアケアラボ」に相談にみえるユーザーさんも多いのです。
このように、ミノキシジルには「諸刃の剣」に近い面があります。
薄毛対策としてミノキシジルを考えている方は、このことを忘れないでほしいと思います。
薄毛は完治しない!?薄毛に対する正しい考え方とは?
ユーザーさんから、「僕の薄毛は完治しますか?」と聞かれることがあります。
これは、とても難しい質問です。
というのも、「薄毛の完治」がどういう状態を言っているのかが、はっきりしていないのです。
年齢に逆らって若い頃のようなフサフサの髪の毛に戻ることが「完治」なのか、それとも年相応になることが「完治」なのか…。
そもそも薄毛は誰にでも起こり得るもので、加齢によって進んでいくものです。
ですから、40代の男性を20代の頃のようなフサフサの状態に戻すことは、やはり無理なのです。
しかし薄毛のせいで年齢より上に見えていた男性を、年相応の状態まで回復させられる可能性はもっと高いでしょう。
また、ミノキシジルを使って薄毛が改善したとしても、薬を飲み続けることでその状態を維持しているわけですよね。
それをはたして「完治」と言えるのかというと、難しいところです。
僕たちが考える「薄毛対策のゴール」というのは、
・自分で髪の毛を生やす力があるか
・自分の力を使った最大限の髪の毛が生えてきているのか
といったところを目安にしています。
この考えでいくと、先ほど出てきたミノキシジルのように、薬などほかの力を借りて髪の毛が生えている状態は、僕たちの考えるゴールとはちょっと違いますね。
「自分の力で髪の毛を生やせるようになり、さらにその状態を維持できるようになること」が薄毛対策の最終目標です。
「薄毛は完治するものではなく、うまく付き合っていくもの」と考えるのがベストです。
【薄毛対策】選びの3つのチェックポイント
それでは薄毛を改善するためには、どんな対策を選べばよいのでしょうか?
薄毛対策の方法には、次のようなものがあります。
・育毛シャンプー、育毛剤
・ヘッドスパ
・ミノキシジルやプロペシアなどのAGAのお薬
・ハーグ療法やメソセラピー(有効成分を頭皮に直接注入する施術法)
・ウィッグ、かつら、増毛
・植毛
・メディカルSMP(頭皮に専用の黒い色素を注入して毛根を描く)
・美容鍼灸
ざっと挙げただけでもこれだけの対策が揃っているので、どれを選べばよいのか迷ってしまう人も少なくないでしょう。
そこで、薄毛対策選びに大切な3つのチェックポイントをご紹介します。
⒈体に対して副作用はないか
⒉どれくらい続ければよいのか
⒊コストはどのくらいかかるのか
1つずつ解説していきますね。
まずは、①の副作用について。
薄毛の悩みを解決したい思いから、どうしても効果にばかり目を向けてしまいがちですが、そのせいで体調を崩したり、健康を損ねてしまっては本末転倒です。
また、副作用で体の調子が悪くなってしまうと、対策が継続できなくなることもあるのです。
「健康な髪の毛は、健康な体があってこそ」
その対策に副作用がないか、しっかりチェックしておきましょう。
次は2番目の、「どのくらい続ければよいか」について。
AGAの薬の効果を維持するためには、継続して使用しなければならないという話はお伝えしましたよね。
クリニックや育毛サロンによっては、「まずは1年コースで頑張っていきましょう」と言われる場合もあります。
1年で終わるのかと思っていると、1年後に更新してもう1年継続してコースを続けていくようになっていたりするので、注意しましょう。
3番目のコストについては、2番目の「どのくらい続ければよいか」にもかかわってきます。
通常は、長く続ければ続けるほどコストもかさんでくるもの。
たとえ1ヶ月にかかる費用が無理のない金額だとしても、何年も継続するとなれば大きな金額にもふくらむこともあります。
実際、AGAの薬を中心にさまざまな対策を行っていたあるユーザーさんは、これまでに400万円くらいかかったとおっしゃっていました。
その方法によって、「コストに見合うだけの結果が出せるのかどうか」を考えてみることも大切ですよ。
薄毛対策は「長い目で見る」ことが大切!
薄毛は、陸上競技にたとえるとマラソンのようなもの。
短時間ダーッと走って終わり!ではなく、長い時間をかけて走り続ける必要があるのです。
その「走り続ける」というのが、「薄毛対策を継続して行っていくこと」です。
ですから、薬などの「もの」に頼った対策を選んでしまうと、それをずっと使い続けなければならなくなります。
すると、副作用のリスクが高まったり、コストがかさんだりと、マイナス面が大きくなってしまうのです。
「薄毛は完治するものではなく、うまく付き合っていくもの」という視点から見ると、これではとてもうまく付き合っているとは言えませんよね。
では、どうしたら薄毛とうまく付き合っていけるのでしょうか?
それにはまず、自分の体質に目を向けてみることが大切です。
薄毛になるということは「髪の毛を生やす機能が弱っている」ということ。
つまり、自分の力で髪の毛を生やす力が残っていないのです。
だから、その力を取り戻す必要があります。
そのための手段として、僕たちは薄毛整体を行っているのです。
体質というものは、5年たっても10年経ってもそれほど大きく変わるものではありません。
だからこそ、自分の薄毛の根本原因を見つけて、それにフォーカスしながら体質を整えていくことが何よりも重要になってくるのです。
もちろん、薄毛整体の施術を受けるだけではなく、生活習慣の改善や、栄養バランスのとれた食事を意識するなど、自分でできる対策もとっていく必要があります。
それができれば、AGAの薬に頼らなくても、自然と髪の毛も変わってくるはず。
「無理なく長く続けていける薄毛対策」を選ぶことが、薄毛とうまく付き合っていくための最大の秘訣と言えるでしょう。
もしあなたがAGAの薬のことで悩んでいたり、疑問に思っていることがあれば、いつでもいいねヘアケアラボに相談してくださいね!
この記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔