円形脱毛症に代表される「自己免疫疾患」ってなに?
年齢や性別に関わらず誰にでも起こる可能性がある
円形脱毛症は頭に円形や楕円形の脱毛部が突然現れ、
免疫が関係している病気と考えられています。
円形脱毛症は自己免疫疾患のひとつで、甲状腺疾患、
尋常性白斑などの自己免疫疾患を発症している場合、
円形脱毛症を引き起こすこともあります。
こちらでは、円形脱毛症の原因と予防としてできること、
自己免疫疾患との関係性について解説いたします。
円形脱毛症の原因は免疫が関係している?
細菌やウイルス、ほこりや汚染物質などの外部からの
侵入物から体を守ってくれるのが、
免疫という防御システムです。
私たちの体には、異質なものを攻撃する働きがある
「Tリンパ球」が異質なものを攻撃して、体を正常な状態に保つ
「免疫」と呼ばれる機能があります。
Tリンパ球が髪の毛がつくられている毛母細胞を
攻撃してしまい、毛根がダメージを受けることで成長が止まり、
突然健康な髪の毛が抜け落ちてしまうと考えられています。
円形脱毛症になる原因は分かっていないことも多いのですが、
近年では正常な毛母細胞を異物と勘違して攻撃してしまう
免疫の異常が原因のひとつであると考えられています。
円形脱毛症の原因のひとつとされる免疫機能の異常はどうしておこる?
円形脱毛症は免疫機能の異常が原因として考えられていますが、
どうして正常な毛母細胞を
異物と勘違して攻撃してしまう
免疫機能の異常がおこるのかは分かっていません。
異質なものを攻撃する働きがあるリンパ球が
毛根を攻撃してしまう免疫機能の異常が
おこるきっかけとなるものには、
ストレスや不規則な生活による自律神経の乱れなどがあります。
免疫機能の異常がおこる引き金となる要因が、
リンパ球の働きにどのような影響を及ぼしているかは
分かっていませんが、免疫機能のコントロールには
自律神経やホルモンが関わっています。
自己免疫疾患とは?
「自己免疫疾患」とは、細菌やウイルスなど外部からの侵入物を
攻撃することで私たちの体を守ってくれている免疫機能に
異常が生じ、自分の体を異物とみなしてしまい
攻撃してしまう病気です。
しかし、なぜ免疫機能の異常がおきてしまうのかは、
まだ明らかになっていません。
自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって
症状は異なり、
たとえば尋常性白斑は皮膚の一部が脱色されたように
白くなってしまう病気です。
免疫細胞が毛根を異物と間違えて
攻撃してしまうために発症すると考えられている円形脱毛症も
自己免疫疾患のひとつと考えられて対策・処方がすすめられています。
円形脱毛症とストレス、自己免疫疾患の関係性とは?
原因不明の脱毛などに結びつけられて、円形脱毛症の原因は
ストレスだと思われていたのですが、ストレスと円形脱毛症の
直接的な関係は分かっていません。
現在ではストレスは円形脱毛症になる根本的な原因ではなく、
誘発するきっかけのひとつと考えられています。
橋本病やバセドウ病、尋常性白斑、
全身性エリテマトーテス、関節リウマチ、重症筋無力症なども
自己免疫疾患であり、円形脱毛症を引き起こす場合があります。
たとえば、新陳代謝を促進する働きがある甲状腺ホルモンは
髪の成長に欠かせないホルモンで、
自己免疫疾患でもあるバセドウ病のように甲状腺の働きが
強すぎると新陳代謝が促進されすぎて体は
消耗しすぎるようになります。
ホルモンは体が正常に機能するために
重要な働きをしていますが、
バランスが崩れて異常な働きをした場合に、
脱毛が引き起こされると考えられています。
円形脱毛症の予防でできることとは?
円形脱毛症発症がどのように発症するのかは
分かっていないことも多いのですが、
健康な体を維持することが予防につながると
考えられており、栄養バランスの良い食事や質の良い睡眠、
適度な運動するなどの生活習慣の見直しが大切です。
髪の毛を太く成長させるためには髪の毛の主成分でもある
タンパク質や亜鉛や鉄などのミネラル、
頭皮環境の改善や血行促進、髪の毛の成長を促すビタミンなどの
栄養素を意識してみましょう。
バランスのよい食生活を送ることは
髪の毛や頭皮の健康に大切であると同時に、
免疫機能のコントロールに関わっている自律神経や
ホルモンのバランスを整える効果もあるので、
円形脱毛症の予防につながるのです。
例えば、抗ストレス作用があるビタミンCが多く含まれる
ブロッコリー、赤ピーマンなどの野菜やレモン、いちご、
キウイフルーツ、柑橘類などの果物を
朝食にプラスするのもいいですね。
また、カルシウムには精神安定作用があるので、
小魚類、海藻、大豆製品、乳製品などを、
吸収率をアップさせるビタミンDと一緒に摂るのも効果的です。
ビタミンDが多く含まれるきのこ類には、
抗ストレス作用があるGABAというアミノ酸も
たくさん含まれているのでおすすめの組み合わせです。
脳の興奮を抑える手助けをして
リラックス効果もあるGABAは、
玄米や発酵食品、トマトなどにも含まれています。
髪の毛の成長を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌され、
質の良い睡眠は心身の疲れをリセットしてストレスを
減らしてくれる効果もあります。
必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンは、
睡眠をコントロールする脳内物質メラトニンになる
セロトニンの材料になるので、
大豆製品や牛乳、ごま、バナナなどを
バランスよく食事にとり入れるのもいいですね。
食べるということは栄養を摂るためだけのものではなく、
緊張を和らげ、精神を安定させる効果もあります。
どのような環境で誰と食事をするのかということも
ストレスと深い関係があり、
家族や友人と和やかな雰囲気の中での食事は、
ストレス解消にも効果があります。
参考:https://www.nichireifoods.co.jp/media/1793/
まとめ:円形脱毛症に代表される「自己免疫疾患」ってなに?
円形脱毛症が発症する理由は、
免疫機能の異常のほかにも、
加齢やストレス、食生活や運動不足、睡眠不足などの
生活習慣の乱れなどが免疫力低下の原因となり、
免疫力が低下すると円形脱毛症のきっかけになることがあります。
バランスの良い食事を規則正しく楽しく食べながら、
心身ともに健康を維持することで円形脱毛症を予防しましょう。
~この記事を読んだあなたにはこちらの記事もオススメです~
この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔