円形脱毛症とその他の脱毛症それぞれで発生する症状の比較
円形脱毛症は、前触れもなく、急に10円玉大のハゲ(脱毛)ができる病気です。
生命に関わる病気ではありませんが、
容姿を左右することなので、
精神的なストレスを感じる方も多いです。
円形脱毛症になると、どのような症状が起こるのでしょうか。
また、円形脱毛症以外には、どんな脱毛があるのか、
その症状はどのようなものかも知っておくことも大切です。
今回は、円形脱毛症の症状とその他の脱毛症の症状について
詳しく説明いたします。
円形脱毛症の症状とは?
円形脱毛症とは、気が付かないうちにいきなり
コイン大の範囲で毛がに抜ける病気です。
自覚症状がほとんどないので、
自分で気づくよりも家族や美容院などで指摘されるケースも多いようです。
円形脱毛症の生涯発症率は1.7%と言われています。
発症が起きる傾向として、男女差、年代差がなく、
誰でも発症する可能性があります。
円形脱毛症になった場合、どんな症状が出るのでしょうか。
・頭髪が円形もしくは楕円形の形で抜けている
・境界が明らかで、大きさはいろいろ
・抜けた毛の毛根は細くとがっているなど。
円形脱毛症は軽症の場合、脱毛部分が1ヵ所だけの「単発型」ですが、
症状が進むと、脱毛が何か所もできる「多発型」や
頭髪すべてが抜けてしまう「全頭型」などに悪化する場合も。
また、頭髪だけでなく、身体のすべての毛が抜けてしまう「汎発型」は、
より重症化した症状で、治療も長期にわたると考えられています。
もしも、円形脱毛症が見つかった場合、
その症状が進行しているのかを見分けるには
以下の点をチェックしてみましょう。
・起床したときに、枕に抜け毛が数本以上ある。
・脱毛箇所の周辺の毛をひっぱると痛みもなく、簡単に毛が抜ける。
・抜けた髪の毛の毛根部分が鋭くとがった状態である。
このような場合は、
円形脱毛症が進行している状態と考えていいでしょう。
もし、円形脱毛症かな、と思ったら
まずは皮膚科を受診することをおすすめします。
円形脱毛症以外の脱毛症の症状にはどんなものがある?
脱毛には、大きくは
「生理的脱毛」と「病的脱毛」があります。
「生理的脱毛」とは、自然に抜ける現象のことで、
誰でも1日100本ぐらいは自然に毛が抜けます。
また、「病的脱毛」は、円形脱毛症以外に、AGAと言われる男性型脱毛症、
分娩後脱毛症、びまん性脱毛症、脂漏性脱毛症などがあります。
AGAの症状
AGA(男性型脱毛症)は、男性の脱毛症の中で一番多い症状で、
20代前半から症状が出る人もいます。
病気というよりは、身体の自然な現象ととらえた方が適切です。
毛の数は減りませんが太く長い毛まで成長せずに、
ほとんどの毛が細く短い毛(軟毛)に置き換わります。
具体期な症状としては、額が後退していく「M型」と
頭頂部が薄くなっていく「O型」があります。
そして、その両方ともの症状がでるケースもあります。
M型は、男性ホルモンの「テストテロン」が酵素により変換されてできた
「ジヒドロテストステロン」の働きによって、
発毛サイクルが乱れたことが原因でおこります。
O型は頭皮の血行不良によって髪の毛に栄養が行きわたらなくなることが
主な原因と言われています。
2つのパターンは、治療法も違います。
どちらも治療薬の開発が進んだことによって、医師の元で、治療することができます。
びまん性脱毛症の症状
びまん性脱毛症とは、「全体的にボリュームが減ってきた」、
「分け目が目立ってきた感じがある」「地肌が透けている」というように、
全体に髪が薄くなっている状態をさします。
女性に多く見られる症状で、FAGA(女性の男性型脱毛症)と
休止期脱毛症の2つのタイプがあります。
FAGA(男性型脱毛症)は、頭髪全体が、幅広く薄くなり、
頭頂部を中心に進行していくものです。
休止期脱毛症は、頭皮全体の毛髪が少なくなります。
通常は、休止期にある10%の毛髪が20%ほど増えることで起こります。
女性特有の脱毛症で、長く硬い毛が抜けるのが特徴です。
分娩後脱毛症の症状
分娩後脱毛症とは、出産後2~3カ月ほどで現れる症状ですが、
時間の経過とともに治癒します。
原因は、女性ホルモン(エストロゲン)のバランスが影響している
と言われており、
出産後は、毛髪の成長を促す働きのあるエストロゲンの分泌が減るため、
髪の毛が抜けるという現象につながります。
この症状は、産後、半年から一年のうちに改善していくので、
あまり気にせずに栄養バランスのとれた食生活や質のよい睡眠をとるなど、
生活習慣を整えることを心掛けましょう。
脂漏性脱毛症の症状
脂漏性脱毛症とは、皮脂の分泌の異常と
発汗やビタミン代謝が関連して、毛穴から皮膚炎が広がる
脂漏性皮膚炎が原因で、脱毛が起こります。
脂漏性皮膚炎は、ふけのような症状が起こり、
やがて赤い発疹が出て、脱毛症状が起きある場合もあります。
原因は特定されていませんが、
軽症の場合は、こまめな洗髪をすることでで改善されることも。
脱毛症状が現れるなど、重症化した場合は
皮膚科を受診することをおすすめいたします。
円形脱毛症とそれぞれの症状を比較
円形脱毛症は、コイン大の脱毛が突然起こります。
特徴は、脱毛の境界が比較的はっきりしていること。
さらに、症状が進行した場合は、頭髪すべてが抜けてしまうことがあります。
ただし、毛包の幹細胞は残っているので、
治療がうまくいった場合は、毛が戻ってくる可能性があります。
一方、他の脱毛症は、一部分ではなく、全体に薄毛になる、
一時的に脱毛が増えるという症状のため
いわゆる「ハゲ」というよりは「薄毛」という状態といえます。
すべての脱毛症について通じることは、
治療とともに、毎日の生活習慣を整えていくことが有効であることです。
ストレスや疲労は脱毛の誘因とも言われているので、
生活習慣を見直すことで、少しでも原因となる要素を取り除き、
健康な髪の毛を取り戻しましょう。
まとめ:円形脱毛症とその他の脱毛症それぞれで発生する症状の比較
ある日いきなり何の前触れもなく、
コインの大きさで毛が抜ける円形脱毛症は、生涯発症率1.7%の病気です。
男女や年代の区別がなく、誰でも発症する可能性があります。
症状が進むと、頭全体が脱毛したり、身体の毛まで抜けるケースもあります。
そのほかの脱毛症には、いわゆる若ハゲといわれる「AGA(男性型脱毛症)」、
女性に多い、頭全体が薄くなる「びまん性脱毛症」、
女性ホルモンの影響で、産後の女性に多く起こる「分娩後脱毛症」、
フケや発疹などを伴う「脂漏性脱毛症」などがあり、
これらは、局所的な脱毛ではなく、全体的に薄毛になる、
または、一時的に毛が抜ける症状です。
もしも、薄毛や脱毛の症状があった場合は、
素人判断で放置せずに、まずは専門院に相談することが肝要です。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔