男性の薄毛は男性ホルモンが原因?その理由を解説
男性の薄毛の原因の一つとされている、男性ホルモン。
よく、「体毛が濃い男性は、男性ホルモンが多いから薄毛になりやすい」と言われることがありますが、一概にそうとは言えません。
薄毛と男性ホルモンが密接に関係していることはたしかですが、男性ホルモンの分泌量が直接の原因となっているわけではないようです。
では、男性ホルモンが薄毛の原因と言われるのはなぜでしょうか?
今回は、男性薄毛の原因とその対策ケアの方法についてご紹介いたします。
男性の薄毛は男性ホルモンが原因?
成人男性の3人に1人は薄毛だといわれていますが、その大半はAGA(男性型脱毛症)です。
AGAとは、男性ホルモンが大きく影響している進行性の脱毛症で、前頭部か頭頂部のどちらか、もしくは両方が薄毛になっていく特徴があります。
早い人では20代から発症し、40代になると発症率が一気に上がります。
男性の体内では、テストステロンという男性ホルモンが血中に分泌され、血液によって体中を巡っています。
そして、頭皮の毛乳頭細胞に運ばれると、5α-リダクターゼという酵素と結びつき、より強力な男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。
さらに、このDHTが男性ホルモン受容体と結合すると、TGF-βという【脱毛因子】が増えるため、髪の毛を作る毛母細胞の分裂・増殖が抑制されるようになります。
この働きにより、正常なヘアサイクルでは2~6年ほど続くはずの成長期が、数ヶ月~1年ほどに短縮されてしまうのです。
その結果、毛髪は十分に太く長く成長することができないうちに抜けてしまい、細く短い髪が増えて薄毛になるというのがAGAの仕組みです。
ちなみに、DHTと結合する男性ホルモン受容体は前頭部や頭頂部に多く、側頭部や後頭部にはありません。
AGAで前頭部と頭頂部だけが薄毛になる理由は、ここにあります。
また、DHTが男性ホルモン受容体と結びついてできる成長因子は、前頭部や頭頂部では「脱毛を促すTGF-β」ですが、ひげや体毛の毛母細胞では「毛の成長を促すIGF-1」になります。
このため、頭は薄毛なのに、ひげや体毛は濃くなるということが起こるのです。
男性ホルモン以外に薄毛になる原因が
男性の薄毛には、他にもいくつかの原因があるのでご紹介します。
1.ストレス
仕事や人間関係などから来るストレスも、大きな原因の1つ。
過度のストレスがかかると、自律神経が乱れて交感神経が優位になるため、血管が収縮し血行不良を引きおこします。
頭皮の血行も悪くなるため、毛乳頭細胞に必要な栄養素が十分に行きわたらなくなります。
栄養不足の状態では、毛髪を生成・成長させることができず、薄毛になってしまうのです。
2.シャンプー
合成シャンプーは皮脂をとりすぎたり、キューティクルを壊したりと、薄毛の原因になります。
また、間違ったシャンプー法も髪や頭皮トラブルのもとになるので、注意が必要です。
3.生活習慣
偏った食生活や生活リズムの乱れ、過度の飲酒・喫煙、睡眠不足などの生活習慣も、頭皮環境を悪化させる原因になります。
病気によって薄毛になることも
薄毛は、病気が原因になっている場合があります。
その場合、自己流で対応しようとせずに、必ず専門医に相談するようにしましょう。
■円形脱毛症
自己免疫疾患によって起こる脱毛症で、円形に脱毛します。
一部分が脱毛する単発型と何か所にも生じる多発型がありますが、全頭型といって頭の毛が全部抜けてしまう場合もあります。
放っておくと症状が重くなる可能性もあるので、早めに皮膚科に相談することをお勧めします。
■脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎になると、大きなフケのようなものが剥がれたり、かゆみが出て頭皮が赤くなったりします。
放っておくと毛が細くなり、脱毛が進むので、早めに専門医を受診しましょう。
■甲状腺疾患
甲状腺機能低下症やバセドウ病などの甲状腺疾患でも、脱毛が起こることがあります。
また、甲状腺疾患と円形脱毛症を併発するケースもみられます。
男性の薄毛ケアはどうしたらいい?
男性の薄毛ケアのカギは、「よい生活習慣を身につけること」。
生活習慣が乱れていると、薄毛が悪化する恐れもあるので注意しましょう。
薄毛ケアは、予防も兼ねて若いうちから始めることをおすすめします。
1.シャンプー
薄毛予防・改善には、天然成分で作られた石鹸系シャンプーか、マイルドな洗浄力で髪に優しいアミノ酸系シャンプーがおススメ!
最初にお湯でよく洗い流してから、シャンプーを少量泡立て、指の腹で優しく地肌を洗います。
そして念入りにすすいだ後タオルドライをして、必ずドライヤーで髪を乾かしてから寝るようにしましょう。
2.食生活
脂っこい食事や高カロリーなメニュー、ジャンクフード、加工食品などの摂りすぎは、血行不良や頭皮環境の悪化にもつながり、薄毛の原因になります。
日頃から、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
また、大豆製品に多い「イソフラボン」や、牡蠣・牛肉などに多い「亜鉛」は、5αリダクターゼの働きを抑制する働きがあり、おすすめの食品です。
3.睡眠
健康な毛髪・頭皮のためには、成長ホルモンが十分に分泌するように、最低でも4時間以上眠るのが理想です。
夜型など生活リズムの乱れは、薄毛の原因になるので注意しましょう。
4.ストレス解消法
ストレスの要因を排除できないときは、上手に解消する方法を見つけるのが一番。
ウォーキングやジョギング、散歩、ストレッチ、ヨガなどの軽い運動なら、健康にもよいので一石二鳥です。
5.頭皮マッサージ
頭皮マッサージには、硬くなった頭皮をほぐし、血行不良を解消する働きがあります。
力を入れすぎないように注意しながら、耳の上やうなじ、生え際から頭頂部に向かって血液を流していくイメージでマッサージを行いましょう。
まとめ:男性の薄毛は男性ホルモンが原因?その理由を解説
男性薄毛の原因には様々なものがあり、その中でもAGAには男性ホルモンが大きく関わっています。
また、薄毛の予防・改善のためには、よい生活習慣を身につけることが大切。
「頭皮マッサージ」や「良質な睡眠」、「バランスのとれた食事」など、毎日の薄毛ケアとして、皆さんもぜひ取り入れてみてくださいね。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔