円形脱毛症を皮膚科ではどのように治療するのか?
まさか自分が円形脱毛症になるとは…。
急に頭に丸い形のハゲができていたら、誰だって驚くものです。
自分ではなく家族であっても同様でしょう。
では、円形脱毛症は何が原因でできるのでしょうか?
もし自分や家族が円形脱毛症になったら、
皮膚科に行くのが正解なのでしょうか?
今回は、円形脱毛症の原因の解説と、
皮膚科での治療についてご紹介します。
そもそも円形脱毛症とはどのような脱毛症なのか?原因は?
円形脱毛症とはそもそもどのような脱毛症なのでしょうか?
円形脱毛症を発症してしまう原因は何なのでしょうか?
円形脱毛症は、丸い形や楕円形のハゲができることで
知られる脱毛症の一種です。
コインの大きさくらいに髪が抜け、地肌が見えてしまうため、
できた場所によってはとても目立ってしまい、
恥ずかしい思いをしてしまう方もいます。
突然発症するので、誰もが「まさか自分が…」
と驚いてしまいますよね。
円形脱毛症は症状によって
「単発型」「多発型」「蛇行型」「全頭型」「汎発型」
という種類に分けられますが、
最も多い1つだけハゲができる「単発型」というタイプ。
単発型は8割以上の方が1年以内に自然治癒するといわれています。
つまり、円形脱毛症になったとしても、
その多くは自然に治ってしまうものなのです。
しかし、症状が悪化してしまうケースもあるので注意が必要です。
何か所もできる「多発型」は、
1年どころか治るまでに2年くらいかかることもあります。
さらに脱毛面積が広がってしまう「蛇行型」や、
頭全体の髪の毛が抜けてしまう「全頭型」、
体中の毛が残らず抜けてしまう「汎発型」になると、
長期間の治療が必要となるだけでなく、
完全に治るのは難しくなるようです。
円形脱毛症は自己免疫疾患が原因で起こるといわれています。
自己免疫疾患とは、自分の細胞を
自分で攻撃してしまうことによって起こる病気です。
人間の体に備わっている免疫機能は、
外から異物が入ってくると、それを攻撃して体を守ろうとします。
しかし、免疫機能に異常が起こると、
異物ではなく自分の正常な細胞を誤って
攻撃してしまうことがあります。
この免疫機能の誤作動によって起こるのが、自己免疫疾患です。
円形脱毛症は、この誤作動が毛の細胞で起こる自己免疫疾患と
考えられているのです。
また、発症した方には、
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などの
アトピー性疾患を持っている方が4割以上いる
というデータもあります。
同じ疾患がある家族に発症率が高いなど、
遺伝的要素も関係しているというデータも。
まだまだ「円形脱毛症はストレスが原因」と思っている方も
多いですが、ストレスに関係なく起こることもあるため、
精神的なストレスが直接的な原因とは言い切れないのが現状です。
女性においては、出産前後の女性ホルモンの急激な変化が影響し、
部分的に髪が抜けてしまうケースもあるようです。
参考:https://www.enkei-datsumou.com/enkei/genin/
円形脱毛症は皮膚科が専門?
円形脱毛症の治療は皮膚科が専門で行っているのでしょうか?
円形脱毛症というと頭にできるものと思いがちですが、
実は頭に限らず、毛が生えている場所であればどこでも
発症する可能性があります。
頭にできることが最も多いですが、まつ毛や眉毛、
体毛などにできることもあるのです。
円形脱毛症を発見したら、まずは皮膚科を受診するのが一般的です。
しかし、心理的なストレスが原因と考えられる場合は、
心療内科などを紹介してもらうケースもあるようです。
参考:https://www.enkei-datsumou.com/kurashi/senmonka/
参考:https://www.biotech.ne.jp/column/nukege/archive133/
円形脱毛症は皮膚科の治療で改善されるもの?
円形脱毛症は皮膚科で治療を行えば改善されるものなのでしょうか?
上記でも解説したように、
円形脱毛症はいつの間にか治ってしまうことが多いですので、
症状が軽い場合はさほど心配する必要はありません。
しかし、脱毛部分がまわりに広がってきたり、
あっちにもこっちにもハゲができたりするなど、
重症化してしまうケースもあるので油断は禁物です。
皮膚科で治療をすれば、
必ずしも円形脱毛症が改善されるかというと、
これもひとりひとりの症状によって異なるため、
わかりません。
改善されるケースもあれば、改善されないケースもあります。
とにかく、見つけたらすぐに対策をすることが重要です。
皮膚科では円形脱毛症の治療をどのように行う?
皮膚科では、円形脱毛症に対してどのような治療を
行うのでしょうか?
皮膚科での治療は、
脱毛部分の大きさや発症してからの日数などを確認し、
それぞれの症状に合わせて行っていきます。
日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインをみてみると、
ステロイド外用療法と局所免疫療法を推奨すると書かれています。
脱毛している範囲が小さく発症から時間が経っていない場合は、
ステロイドなどの外用薬や内服薬などで様子をみます。
しかし、なかなか改善しない場合は、
ステロイドを直接脱毛している部分に注射する局所注射をして
治療する治療法を行うこともあります。
また、わざと薬でかぶれを起こして
発毛を促そうという局所免疫療法も、
有効な治療方法です。
他にも、冷却治療、紫外線療法、ステロイドパルス療法など
がありますが、副作用のリスクがある方法もあるため、
医師とよく相談した上で行うことが大切です。
参考:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q09.html
円形脱毛症の改善は日常生活の見直しも大切!
円形脱毛症を改善したいなら、日常生活の見直しも大切です。
脱毛した部分に髪の毛が生えてくれば、
脱毛した部分は目立たなくなり、
円形脱毛症の改善につながります。
そのためには、日常生活を見直し、
育毛や発毛に良い生活を送ることも大切なのです。
頭皮を清潔に保ったり、マッサージをして
血行を促進したりすることはもちろんのこと、
ストレスはできるだけ溜め込まず、
リラックスできる時間を意識的に持つことも重要です。
また、睡眠不足は自律神経の乱れを招くので、
しっかりと睡眠をとり、髪の毛の成長を促しましょう。
そして、心身を健康的に保つためには、
やはり食生活も大事なポイント。
ビタミンやミネラルなどもたっぷりとり、
栄養バランスを考えた食事を心がけるようにしましょう。
まとめ:円形脱毛症を皮膚科ではどのように治療するのか?
円形脱毛症は誰もが発症する可能性のある
自己免疫疾患が原因と考えられています。
治療を行う場合は皮膚科が専門ですが、
多くの場合は自然治癒するので
あまり心配しすぎなくても大丈夫なようです。
しかし、少しでも変化があるときはすぐに皮膚科を受診し、
重症化を防ぎましょう。
皮膚科での治療にはリスクのある方法もあるため、
しっかりと確認した上で治療を受けることが大切です。
また、日常生活を見直して心身の健康を保つことも、
円形脱毛症の改善につながるでしょう。
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この記事を書いた人
いいねヘアケアラボ院長 成田峻輔