ミノキシジル外用薬を最大限に活かすための使い方と選び方

「薄毛対策といえばミノキシジル」という言葉を耳にしたことがある方は多いはずです。日本で唯一、発毛効果が認められた成分として、多くの外用薬が販売されています。しかし、ただ闇雲に頭皮へ塗れば良いわけではありません。
「どれを選び、どう塗るか」という基本的な知識が欠けているために、本来得られるはずの効果を半減させてしまっているケースが驚くほど多いのです。
ミノキシジルは魔法の薬ではありませんが、科学的に裏打ちされた強力な発毛アプローチです。血管を拡張させ、眠っている毛母細胞を目覚めさせるためには、頭皮のコンディションを整え、浸透を妨げる要因を排除する必要があります。
ここでは、熟練の視点から、ミノキシジル外用薬のポテンシャルを100%引き出し、安全かつ効率的に髪を育てるための戦略を具体的に解説します。
目次
1. ミノキシジルが髪に作用する科学的な根拠
ミノキシジルがなぜ髪を生やすのか、そのメカニズムを理解することは、治療を継続するための強い動機付けになります。元々は高血圧の治療薬として開発されたこの成分は、偶発的に発見された「多毛」という副作用を転用したものです。現在では、単なる血管拡張以上の細胞レベルでの働きが解明されています。
毛母細胞の「司令塔」を直接刺激する
ミノキシジルの主要な働きは、毛根の奥深くにある「毛乳頭細胞」を刺激することにあります。 細胞のエネルギー代謝を活性化させることで、髪の成長指令を強化します。
- ATP(エネルギー)の産生促進: 毛乳頭細胞のミトコンドリアに働きかけ、髪を作るためのエネルギー源であるATPの合成を促します。
- 成長因子の分泌拡大: VEGF(血管内皮増殖因子)やKGF(角化細胞増殖因子)といった、髪の成長に欠かせないシグナル伝達物質の放出を増やします。
- アポトーシスの抑制: 髪の成長が止まって抜けてしまう「退行期」への移行を遅らせ、一本一本の髪を長く、太く育て上げます。
血管拡張によるダイレクトな栄養供給
もう一つの重要な役割は、微細な血管を広げる力です。 血流を改善し、髪の「エサ」を届けるルートを確保します。
- カリウムチャネルの開口: 血管平滑筋のカリウムチャネルを開くことで、血管を弛緩・拡張させ、頭皮の血流量を劇的に増加させます。
- 毛細血管の新生・維持: 既存の血管を広げるだけでなく、新しい血管の生成をサポートすることで、栄養供給のインフラを整えます。
「発毛」と「育毛」の明確な違い
世の中には多くの育毛剤がありますが、ミノキシジルは「発毛剤」に分類されます。 単に今ある髪を健康にするだけでなく、新しい髪を生み出すという点が、医学的に認められた最大の強みです。この違いを理解することが、適切な製品選びの根拠となります。
関連記事:見た目年齢を左右するAGAのリアルな影響|自信と印象を取り戻す10の方法
2. 外用薬の濃度による効果の違いと適切な選択
日本のドラッグストアで購入できるミノキシジル外用薬には、主に1%から5%までの濃度が存在します。 「濃度が高ければ高いほど良い」というわけではなく、リスクとのバランスを考慮することが賢明です。
5%濃度が男性の「黄金比」とされる理由
多くの臨床試験において、男性のAGA治療において最も効率が良いとされているのが5%濃度です。 効果の最大化と副作用の最小化を両立させた濃度と言えます。
- 1%との比較: 1%濃度に比べ、5%濃度の方が有意に発毛面積や髪の太さが改善されるというデータが蓄積されています。
- 継続性への寄与: 5%以上の高濃度(海外製10%以上など)は、効果の劇的な向上よりも、頭皮のかぶれや炎症といった副作用リスクの方が先に高まる傾向にあります。
- 承認の壁: 日本国内で一般用医薬品として承認されている最高濃度が5%であるという点も、安全性の目安になります。
濃度選びで失敗しないための体質判断
自分の現在の薄毛進行度や肌の強さに合わせて濃度を決定しましょう。 最初は低濃度から様子を見るという戦略も、敏感肌の方には有効です。
- 初めて使用する方: まずは標準的な5%から開始し、1ヶ月程度頭皮の状態に異変がないかを確認します。
- 頭皮が弱い、または女性の場合: 刺激を抑えるために1%から開始するのが定石です(※女性は原則1%まで)。
- 若年層の初期対策: 予防レベルであれば、1%でも十分にヘアサイクルの維持をサポートできます。
ジェネリック外用薬という選択肢
近年は、先発薬(リアップなど)と同じミノキシジル5%配合でありながら、価格を抑えたジェネリック医薬品が多く登場しています。 成分が同じであれば、安価なものを選んで「継続すること」に予算を割くのが、賢い長期戦略と言えます。

3. ミノキシジルタブレット(内服薬)との違いと副作用
巷では、塗るタイプの「外用薬」の他に、飲むタイプの「ミノキシジルタブレット(ミノタブ)」という選択肢が語られます。高い発毛効果が期待できる反面、内服薬には外用薬にはない深刻なリスクが潜んでいます。両者の違いを正しく理解し、安易な自己判断を避けるべきです。
「塗る」と「飲む」の圧倒的な浸透差
外用薬は頭皮から吸収されますが、内服薬は血液を介して全身に成分が運ばれます。 全身への影響度の違いが、効果とリスクを二分します。
- 外用薬の局所作用: 頭皮の毛根付近にのみ作用するため、全身への副作用は極めて稀です。安全性が高く、長期使用に適しています。
- 内服薬の全身作用: 毛根だけでなく、心臓や他の臓器、全身の体毛にも影響を及ぼします。その分、発毛効果は外用薬より強力に出る傾向があります。
ミノタブが抱える「未承認薬」のリスク
驚くべきことに、ミノキシジル内服薬は、世界中のどこの国でも「AGA治療薬」として承認されていません。 副作用が起きた際の公的な救済制度が受けられないという極めて重いデメリットがあります。
- 循環器系への負担: 動悸、息切れ、不整脈、手足の激しいむくみなどが報告されています。
- 多毛症: 腕、脚、顔など、望まない部位の体毛が濃くなる現象がほぼ確実に現れます。
- 低血圧リスク: 元々が降圧剤であるため、血圧が下がりすぎて立ちくらみや倦怠感が生じることがあります。
外用薬を極めることが「最初で最善の選択」
多くの専門家は、まずは安全性の高い外用薬を半年〜1年使い続けることを推奨しています。 正しい使い方をすれば、外用薬だけでも十分に現状を打破できるケースが多いからです。内服薬の検討は、リスクを理解した上で、医師と相談してからの「最終手段」と捉えておきましょう。
4. 塗布するタイミングと頭皮への浸透率を高める方法
ミノキシジル外用薬を塗る行為自体よりも、「どのような状態で塗るか」が効果の成否を分けます。浸透を妨げるバリアを取り除き、毛包の奥深くにある受容体へ成分を届けるための黄金のルールをマスターしてください。
入浴後・ドライヤー直後の「適温状態」を狙う
最も成分が浸透しやすいのは、お風呂上がりで頭皮が清潔になり、かつ温まっている状態です。 「清潔・適温・乾燥」の3拍子を揃えましょう。
- 毛穴のクリーニング: シャンプーで余分な皮脂や汚れが取り除かれていることで、物理的なブロッキングを排除します。
- 血管拡張の相乗効果: 入浴で全身の血行が良くなっていると、塗布した成分がよりスムーズに深部へ引き込まれます。
- 水分量のコントロール: 髪がびしょ濡れの状態では成分が薄まり、乾燥しすぎていると浸透しづらくなります。タオルでしっかり地肌を拭いた直後がベストです。
「1日2回」を欠かさない血中濃度の維持
ミノキシジルの効果を持続させるためには、頭皮内の成分濃度を一定に保つ必要があります。 朝と晩、12時間おきの塗布が理想的です。
- 成分の代謝時間を考慮: ミノキシジルの効果時間は数時間から半日程度です。1日1回にまとめて塗るよりも、2回に分けた方が圧倒的に効果的です。
- 朝の塗布も重要: 「朝はベタつくから嫌だ」と夜だけに絞る人が多いですが、朝の塗布が1日の髪の成長を支えるブーストになります。
浸透率を最大化する5ステップ
- ● 完全洗浄: 指の腹で頭皮を丁寧に洗い、皮脂の膜をリセットする。
- ● タオルドライ: 地肌を擦らず、タオルで叩くように水分を吸い取る。
- ● ダイレクト塗布: 髪をかき分け、ノズルを直接地肌に「点」で当てる。
- ● ハンドプレス: 塗布後、指の腹で10秒間じっくり優しく押し込む(叩かない)。
- ● 自然乾燥待ち: 塗布後すぐにドライヤーをせず、2分間放置して浸透を待つ。
「叩き込み」や「強い摩擦」は厳禁
浸透させようとして頭皮をパンパンと強く叩いたり、激しく揉み込んだりする行為は、 毛細血管を傷つけ、逆効果になる可能性があります。成分は自然に浸透していくものですので、優しく頭皮に「置く」イメージで塗布するのが正解です。
関連記事はこちら:AGA治療を始める前に知るべき毛髪の基礎知識と進行の仕組み
5. AGA対策としてミノキシジルを使う際の注意点
ミノキシジルを使用するにあたり、避けては通れない「身体的・精神的な変化」があります。これらを事前に知っているかどうかで、治療を挫折せずに完遂できるかどうかが決まります。特に「初期脱毛」への理解は、何よりも重要です。
「初期脱毛」という最大の試練を乗り越える
使い始めて2週間から1ヶ月ほど経った頃、一時的に抜け毛が増えることがあります。 これは「薬が効いている証拠」ですので、絶対に途中で止めてはいけません。
- メカニズム: ミノキシジルによって活性化した毛根が、新しい毛を押し出すために、弱っていた古い毛をパージ(放出)する現象です。
- 期間の目安: 通常は1ヶ月程度で収まり、その後さらに太い髪が生え揃ってきます。
- 精神的耐性: 「ハゲが進んだ」と勘違いして使用を中止すると、サイクルが崩れ、最悪の状態のまま進行が止まってしまいます。
自己判断による「突然の中止」が招くリバウンド
ミノキシジルは、使い続けることでその効果を維持します。 止めた途端、元に戻るどころか進行が加速するように感じるリバウンドリスクがあります。
- 依存性の理解: 毛根がミノキシジルの刺激に慣れているため、供給が途絶えると一気にヘアサイクルが休止期に向かいます。
- やめる際の手順: 急激にゼロにするのではなく、週に数回に減らすなど、数ヶ月かけて徐々にフェードアウトさせる必要があります。
心疾患や高血圧の方は必ず医師に相談
外用薬であっても、わずかに血液中に成分が吸収されます。 心臓に持病がある方や、低血圧・高血圧で治療中の方は、使用前に必ずかかりつけ医の許可を得てください。安全に、そして確実に髪を守るためには、自分の健康状態への客観的な視点が欠かせません。

6. かゆみや赤みが出た場合の対処法と中止基準
ミノキシジル外用薬を使い始めてから、頭皮にかゆみや赤み、かぶれを感じる方は少なくありません。これは、ミノキシジルそのものへの反応だけでなく、溶媒として含まれる「プロピレングリコール(PG)」という成分が原因である場合も多いです。
軽微な違和感であれば工夫次第で継続可能ですが、無理な継続は頭皮環境を破壊し、逆効果を招くため、冷静な判断が求められます。
「様子見」で良いケースと「即中止」すべきケース
頭皮の反応には個人差がありますが、放置してはいけないサインを見極めることが、長期的な髪の健康を守る鍵となります。 皮膚の炎症は発毛の阻害要因になることを忘れないでください。
- 許容範囲の反応: 塗布直後のごく軽いかゆみや、わずかな赤みであれば、頭皮が成分に慣れるまで数週間様子を見ることが可能です。
- 即中止が必要な反応: 強い痛み、浸出液(液だれ)、顔の腫れ、広範囲の湿疹が現れた場合は、すぐに使用を止め、皮膚科を受診してください。
- 体調の変化への警戒: 頭皮以外にも、動悸や激しいめまいを感じた場合は、循環器系への影響が疑われるため、速やかに医師に相談しましょう。
炎症を抑えながら継続するための工夫
「ミノキシジルを続けたいけれど、少し痒みが出る」という場合、以下の具体的なアクションで改善されることがあります。
- 頭皮の乾燥を徹底的に防ぐ: 洗浄力の強すぎるシャンプーを止め、保湿力の高いアミノ酸系に切り替えるだけで、外用薬の刺激に耐えられる頭皮になります。
- 塗布量を分割する: 1回の規定量を一箇所に集中させず、より細かく「点」で塗ることで、局所的な成分濃度を下げ、刺激を分散させます。
- PGフリー製品への切り替え: 痒みの主原因が溶媒にある場合、プロピレングリコールを含まない「フォームタイプ(泡状)」の製品に変更することで、劇的に改善するケースがあります。
パッチテストのススメ
新しい製品、特に海外製の高濃度製品を試す前には、腕の内側などで 必ずパッチテストを行うようにしてください。頭皮は顔の皮膚よりも厚いですが、一度炎症を起こすと毛根がダメージを受け、回復までに時間がかかります。慎重なスタートが、結果として最短の育毛ルートになります。
参考ページ:AGA治療を成功させるためのセルフケア戦略
7. 他の育毛剤との併用は可能かどうかの判断
ミノキシジルを使用している際、さらに効果を高めようと他の「医薬部外品」の育毛剤や養毛剤を併用したくなることがあります。結論から言えば、併用は可能ですが、順番と製品の組み合わせを誤ると逆効果になる可能性があります。成分が互いの浸透を邪魔しないよう、理論に基づいた併用を行いましょう。
「水溶性」と「油溶性」の順序を守る
異なる育毛剤を同時に使う場合、最も注意すべきは浸透のブロッキングです。 水に近いものから先に、油分を含むものを後に塗るのが鉄則です。
- 浸透を優先させるべきはミノキシジル: 医薬品であるミノキシジルの浸透が最優先です。他の育毛剤が膜を作ってしまう前に、清潔な頭皮に直接ミノキシジルを届けます。
- 塗布間隔を空ける: ミノキシジルを塗布した後、最低でも5分〜10分は空けて、成分が角質層に馴染んでから次の製品を重ねます。
- 相性を考慮する: アルコール含有量が多いもの同士を重ねると、頭皮の乾燥が急激に進むため、保湿成分が豊富な製品を組み合わせる工夫が必要です。
避けるべき組み合わせと注意点
何でも重ねれば良いというものではありません。成分過多は頭皮環境を乱し、かえって抜け毛を増やすリスクがあります。
- 同様の血管拡張成分: ミノキシジル以外にも強い血管拡張作用を持つ成分(センブリエキス等)を大量に重ねると、頭皮の血流が過剰になり、赤みや火照りの原因になります。
- 過剰な油分: オイルベースの整髪料や、油分の強いトリートメントが頭皮に付着している状態では、ミノキシジルの浸透率は著しく低下します。
- ステロイド剤との併用: 皮膚病治療でステロイドを使用している場合は、必ず主治医に併用の可否を確認してください。
「朝と夜」で製品を使い分ける戦略
無理に一度に重ねるのではなく、 朝はベタつかない育毛剤、夜はミノキシジルといった具合に、使用タイミングを分けるのが賢い方法です。これにより、各成分の働きを最大限に引き出しつつ、頭皮への負担を最小限に抑えることができます。
参考:AGAクリニック選びで後悔しないための完全ガイド|治療法・費用・効果・リスクまで徹底解説
8. 女性がミノキシジルを使用する場合の注意事項
ミノキシジルは女性の薄毛(FAGA/FPHL)に対しても有効ですが、男性用と同じ感覚で使用すると、思わぬ健康被害や副作用を招く恐れがあります。女性の肌質やホルモンバランスは男性とは異なるため、 女性専用の濃度とルールを遵守することが絶対条件です。
「濃度1%」が女性のスタンダード
日本国内で女性向けに承認されているミノキシジルの濃度は「1%」です。男性用の5%製品を安易に使用してはいけません。
- 多毛症のリスク: 女性は男性よりも少量で多毛の副作用が出やすく、顔や腕の毛が濃くなるケースが頻発します。
- 血圧への影響: 一般的に女性の方が血圧が低い傾向にあるため、高濃度を使用すると立ちくらみや強い倦怠感を感じやすくなります。
- 頭皮のデリケートさ: 女性の頭皮は薄く敏感なため、男性用の強いアルコール基剤で激しい炎症を起こすリスクが高いです。
妊娠・授乳期の完全な禁忌
ミノキシジルは血管や細胞の増殖に影響を与える成分です。 妊活中、妊娠中、授乳期の使用は厳禁です。
- 胎児への影響: 血液中に吸収された成分が胎盤を通じて胎児の血管形成等に影響を及ぼす可能性が否定できません。
- 母乳への移行: 授乳中に摂取された成分が乳汁へ移行することが確認されています。
- 産後の抜け毛との混同: 産後はホルモンバランスの変化で自然に髪が抜けますが、この時期にミノキシジルを使用しても、原因が異なるため効果は期待できず、逆に体に負担をかけます。
女性のための安全使用チェックリスト
- ● 製品選び: 必ず「女性用」とパッケージに記載された1%濃度のものを選ぶ。
- ● 塗布後の手洗い: 塗った後はすぐに石鹸で手を洗う(手に残った成分が顔に触れると、顔の毛が濃くなるため)。
- ● 経過観察: 6ヶ月使用しても効果が見られない場合は、別の疾患が隠れている可能性があるため使用を中止し、医師に相談する。
女性ならではの「変化」への期待と不安
女性の場合、発毛効果が現れると髪の分け目の地肌が目立たなくなるだけでなく、髪のツヤやコシが戻ることで若々しい印象が劇的に向上します。即効性を求めず、 正しい濃度でコツコツと続けることが、副作用のない確実な美髪への近道です。

9. 効果が認められた後に使用量を減らす際のコツ
半年から1年継続し、理想的な発毛効果が得られた後、「いつまでこの量を使い続けるのか」という疑問が湧くはずです。ミノキシジルは止めれば元に戻る性質がありますが、 「攻めのフェーズ」から「守りのフェーズ」への移行によって、使用量を微調整することは可能です。
急激なカットはリバウンドの元
効果が出たからといって、ある日突然ゼロにすることは絶対に避けてください。毛根がミノキシジルのブーストを失い、一気に休止期へ雪崩れ込みます。
- リバウンド現象: 中止後3ヶ月〜半年程度で、せっかく生えた髪が抜け始め、元の状態か、それ以下まで進行するリスクがあります。
- 回数による調整: まずは1日2回だったものを、1日1回に減らすことから始めます。これを最低3ヶ月は継続し、毛量の変化を観察します。
- 濃度による調整: 5%で効果が出た場合、維持のために1%〜2%の製品に切り替えるのも一つの選択肢です。
維持フェーズでのモニタリング方法
量を減らしている期間は、以前よりも慎重に頭皮の状態をチェックする必要があります。 「写真による記録」が客観的な判断を助けます。
- 定点観測: 月に一度、同じ照明・同じ角度で頭頂部と生え際を撮影します。視覚的な変化がなければ、その減らした量があなたの現在の「維持ライン」です。
- 抜け毛の数に惑わされない: 季節変動などで一時的に抜け毛が増えることもあるため、数日の増減で一喜一憂せず、数ヶ月単位のボリューム感を重視します。
コストと手間、そして「髪の重要度」の天秤
維持量を減らす動機の多くは「コスト」や「手間の削減」ですが、もし少しでも後退の兆しが見えたら、迷わず元の量に戻す勇気を持ってください。 一度失った髪を再び生やす労力は、維持する労力の数倍かかるからです。自分にとっての最適なバランスを見つけ出しましょう。
10. AGA治療の相乗効果を高めるための併用療法
ミノキシジル外用薬は「発毛のアクセル」ですが、アクセルだけでは車は効率よく走りません。AGAという進行性の脱毛症を食い止めるには、「抜け毛のブレーキ」を同時にかけることが不可欠です。 多角的なアプローチこそが、最短かつ最大の結果を生む最強の戦略です。
フィナステリドとの「黄金のコンビネーション」
AGA治療において最も推奨されるのは、ミノキシジル外用(攻め)とフィナステリド内服(守り)の併用です。
- 役割の分担: フィナステリドが脱毛原因物質(DHT)の生成を抑えて抜け毛を防ぎ、その間にミノキシジルが毛根を強力に刺激して新しい毛を生やします。
- 相乗効果のデータ: 単体で使用するよりも、併用したほうが髪の密度、太さともに劇的に向上することが、多くの医学的エビデンスで証明されています。
- 医師の処方が必要: フィナステリドは医薬品であるため、クリニック等での診断が必要です。自己判断での個人輸入はリスクが高いため避けましょう。
低出力レーザー(LLLT)との物理的併用
近年注目されているのが、ミノキシジル外用と「低出力レーザー治療」の併用です。これは薬剤と物理エネルギーを組み合わせる手法です。
- 細胞代謝のダブルブースト: ミノキシジルが化学的にATP産生を促し、レーザーが光エネルギーでミトコンドリアを直接刺激します。
- 浸透効率の向上: レーザー照射による血流改善が頭皮の温度を上げ、その直後にミノキシジルを塗布することで浸透率が高まることが期待されています。
- 非侵襲な安心感: レーザーは副作用がほとんどないため、薬の量を増やしたくない方の強力なサポートになります。
相乗効果を生むための最強ルーチン
- ● 内部ケア: フィナステリド等の内服で、ホルモンレベルの抜け毛要因を遮断する。
- ● 外部ケア: ミノキシジルを1日2回、正しいタイミングで塗布し、発毛を促進する。
- ● 環境ケア: 生活習慣の改善とマッサージを継続し、栄養を運ぶインフラを整える。
自分だけの「ベストミックス」を見つける
すべての併用を一度に始める必要はありません。まずはミノキシジル外用からスタートし、数ヶ月様子を見てから他のケアを一つずつ追加していくことで、 「何が自分に効いているのか」を明確に判断できるようになります。焦らず、自身の体質とライフスタイルに最適化された治療プログラムを作り上げていきましょう。
ミノキシジルのポテンシャルを引き出し、確かな発毛へ
ミノキシジル外用薬は、日本において「発毛」の効果が科学的に認められた唯一の医薬品であり、正しく使用すれば薄毛の悩みを解決するための強力な武器になります。しかし、その効果を最大限に享受するためには、単に塗るだけではなく、頭皮を清潔に保つこと、塗布のタイミング(入浴後)を厳守すること、そして1日2回の習慣を年単位で維持することが不可欠です。
初期脱毛などの不安要素も、メカニズムを正しく理解していれば、挫折することなく「新しい髪」を手にするためのプロセスとして受け入れることができます。
大切なのは、薬に頼り切るのではなく、自分自身の体と向き合い、適切なケアを組み合わせる柔軟性です。外用薬、内服薬、そして日々の生活習慣。これらが調和した時、あなたの髪は本来の強さを取り戻します。今日から始まる正しいケアが、数年後のあなたの自信を形作るのです。
具体的な最初の一歩として、以下の2点を今日から実行してみてください。
- 塗布前の「地肌乾燥」の徹底: お風呂上がりに髪を乾かす際、地肌の水分を丁寧に拭き取り、育毛剤が薄まらずに浸透する環境を整えてください。
- 12時間おきの「リマインダー」設定: 朝と夜の塗布を忘れないよう、スマートフォンのアラームや通知を設定し、成分血中濃度を常に維持する習慣を作りましょう。
一喜一憂せず、淡々と、しかし丁寧に向き合うこと。それがミノキシジル治療を成功させる唯一の王道です。
ミノキシジル外用薬に関するよくある質問
A. 「初期脱毛」の可能性が高いため、そのまま継続してください。
これは新しい髪が生えてくる準備段階で、古い毛が押し出されている良いサインです。通常、1ヶ月程度で収まり、その後太い髪が生えてきますので、ここで止めないことが重要です。
A. 深刻な副作用の恐れがあるため、女性は必ず1%以下の女性用を使用してください。
女性が高濃度を使用すると、血圧低下や激しい動悸、顔の毛が濃くなる多毛症などのリスクが非常に高くなります。安全性の観点から、1%濃度でも女性には十分な効果が認められています。
A. まとめて塗るのは厳禁です。1回分を通常通り使用してください。
一度に大量に塗っても発毛効果が2倍になることはなく、逆に頭皮のかぶれや低血圧症状を招くリスクだけが高まります。忘れた分は気にせず、次の回からまた習慣に戻しましょう。
A. 外用薬が完全に乾くまで(10分〜20分程度)は控えるのが理想です。
乾く前に整髪料をつけると成分が混ざり合い、浸透を妨げたり頭皮刺激の原因になったりします。完全に乾いてから、地肌を避けて髪の毛部分にのみ整髪料を使うようにしてください。
こちらも読まれています:AGAを進行させないための生活習慣と治療法:髪の健康を守る10の対策













