薄毛にまつわる都市伝説はいろいろありますが、
「筋トレをしすぎると薄毛になる」という話も
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
健康に良いというイメージの筋トレですが、
なぜ薄毛になるという噂が広まったのか?
今回は、この噂がウソかホントかを検証してみましょう。

筋トレと薄毛は関係ない?
筋トレと薄毛は、本当に関係がないのでしょうか?
男性が悩んでいる薄毛のほとんどがAGA(男性型脱毛症)です。
しかも、AGAになる人は、成人男性のおよそ3分の1というから、
その数はかなり多いことがわかります。
AGAの主な原因は、遺伝や男性ホルモン。
「男性ホルモンが多いと薄毛になる」というイメージは、
男性ホルモンがAGAの原因であることからきているようです。
また、「マッチョな男性は男性ホルモンが多い」そして、
「マッチョな男性は筋トレをしている」というイメージも
あります。
これらのイメージが勝手に合わさり、
「筋トレをしすぎると薄毛になる」
という都市伝説が生まれたのでしょう。
薄毛と筋トレが関係あるというデータは見当たりませんが、
テストステロンという男性ホルモンには、
筋肥大効果があることはわかっています。
加齢に伴いテストステロンが低下すると、
筋肉量が落ちるのはそのためです。
つまり、
「男性ホルモンと筋肉は関係がある」というのはホントですが、
「筋トレと薄毛は関係ある」はウソ。
常に筋トレをしている人全てがハゲていないように、
筋トレと薄毛に直接的な関係はないようです。
参考:http://www.aga-news.jp/secure/about_aga/
参考:http://www.mens-health.jp/726
筋トレすると薄毛になると言われる理由
「筋トレすると薄毛になる」と言われるようになったのはなぜなのか、
その具体的な理由についてもみていきましょう。
考えられる理由は、3つあります。
1. タンパク質が不足するから
タンパク質は、筋肉を作るために必要不可欠な栄養素です。
そのため、筋トレをしている人は、
意識的にタンパク質を多く摂るようにしています。
髪の毛の主成分もタンパク質です。
筋トレをすると筋肉を作ることにタンパク質が使われてしまい、
髪の毛に必要な分が不足してしまいためハゲやすくなる。
これが、「筋トレすると薄毛になる」
と言われる理由の一つと考えられます。
2.男性ホルモンの分泌が増えるから
男性ホルモンのテストステロンは、
筋肉を肥大させる効果があることがわかっています。
そして、筋肉に負荷をかける筋トレは、
テストステロンや成長ホルモンの分泌を促します。
筋トレによって
男性ホルモンであるテストステロンが増えることは事実のようですが、
これが直接薄毛につながるというのは、勝手な思い込みのようです。
参考:https://kitamura-health.com/testosterone.html
3.老化を促進するから
筋トレのような無酸素運動をすると、
活性酸素がたくさん発生します。
活性酸素は、私達の身体をサビさせて老化を促進すると言われています。
筋トレをすると活性酸素が増えて老化が促進されます。
老化も薄毛の原因の一つです。
これが「筋トレすると薄毛になる」
いわれるようになった理由なのでしょう。
参考:http://www.asken.jp/info/2557
テストステロンとジヒドロテストステロンは別物
テストステロンとジヒドロテストステロンを混同している方が
多いようですが、この2つのホルモンは全くの別物です。
テストステロンは、5αリダクターゼという酵素によって
ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。
このジヒドロテストステロンが、毛乳頭にある受容体と結びつくと、
髪の成長が妨げられ、これがAGAによる脱毛の原因となります。
薄毛に関係しているのはテストステロンではなく、
ジヒドロテストステロンです。
さらにいうと、男性ホルモンの量に個人差はあまりなく、
差があるのは5αリダクターゼという酵素の分泌量。
この酵素の分泌量の個人差によって、
薄毛になりやすい体質かどうかが決まります。
つまり、
筋トレをすると男性ホルモンのテストステロンが
増えることはあっても、
5αリダクターゼが増えることはありません。
このことからも、「筋トレをしすぎると薄毛になる」
といわれる理由に、根拠がないことがわかります。
参考: http://www.nomura-iin.com/baldness_male_hormone.php
適度な筋トレ(運動)はむしろ薄毛改善に繋がる
適度な筋トレや運動は、むしろ薄毛改善に繋がるという意見もあります。
その理由も調べてみました。
頭皮の血行不良は、薄毛や抜け毛を招く大きな要因です。
頭皮の血流が悪くなると、髪の毛が十分成長できなくなり、
ヘアサイクルが乱れ、これが抜け毛につながることがわかっています。
筋トレに限らず、運動をすることで全身の血行が良くなります。
全身の血行が良くなれば、頭皮の血行不良も改善されます。
適度な筋トレや運動で血行が良くなれば、
薄毛が改善される可能性は十分にあるといえるでしょう。
また、筋トレや運動をすることで、ストレスが発散できたり、
睡眠が改善されたり、肥満予防の効果も期待できるなど、
生活習慣の改善が期待できます。
薄毛には生活習慣の乱れも大きく影響しているケースが
少なくありません。
筋トレのしすぎがAGAによる薄毛を招くのではなく、
適度な筋トレや運動をすることは、
むしろ薄毛の改善に繋がる可能性があるといえるのです。
参考:
https://www.demi.nicca.co.jp/salonsupport/beauty2_detail_08.html
参考:
https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/usuge_kiso_chishiki/review_of_lifestyle/

まとめ:筋トレをしすぎると薄毛になる?ウソかホントかを検証
筋トレをしすぎると薄毛になるというのは、
ウソかホントかでいうと「ウソ」でしたね。
検証してみると、この噂とは真逆の結果となりました。
筋トレや運動は、むしろ薄毛を改善することに繋がるようです。
薄毛になるのが心配で筋トレできなかったという方は、
積極的に運動してみてはいかがでしょうか?